研究課題/領域番号 |
15K15796
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福田 敦子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
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研究分担者 |
紙野 雪香 (今井雪香) 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (10294240)
森岡 正芳 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (60166387)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナラティヴ・アプローチ実践研究 / 成果 |
研究実績の概要 |
臨床看護師は緊張が高く複雑な医療現場の中で優れた看護実践をしていても意味づける時間もないのが現状である。ナラティヴ・アプローチは「聴き手」が存在し、「語る」ことにより、看護師の自己物語が立ち上がり書き加えられ自己が存在する。看護師に新たな支援方法である「ナラティヴ・アプローチによる中堅看護師のキャリア形成プログラム」を行った結果、自己の看護実践を意味づけ、取り戻し生き生きと現場で実践できる成果が見られている。さらにそれは看護師自身のキャリア形成にもつながるという成果の手応えを感じている。しかし、その成果がどのように現れ、その成果をどのように現すとよいのか、評価指針とその具体的方法は明らかになっていない。本研究は、看護師のキャリア形成のための対話を基盤とするナラティヴ・アプローチ実践評価方法を開発することを目的としている。平成27年度は、ナラティヴ・アプローチ実践の成果・評価の枠組みを共同研究者とともに検討した。具体的には、ミーティングやナラティヴに関連する研修会に参加し、ナラティヴ・アプローチ研究について情報収集および意見交換を行いながら進めた。さらに、研究の方向性を再確認し、ナラティヴに精通している研究者にスーパーバイズを受け、調査方法を検討した。ナラティヴ論を基盤とし、検討した調査方法にて研究計画書を研究代表者の所属する大学の倫理委員会の承認を受け、プレテストとして、前述したプログラムを受けた対象者2名に、ナラティヴ・アプローチによる非構成的インタビューとインタビュー内容を補足するためのフィールドワークによる調査を行った。具体的な分析は今後行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、研究の枠組みの検討であり、共同研究者と進捗状況を確認しながら計画的に進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度はナラティヴ・アプローチ実践研究を受けた対象者への調査をさらに進めるとともに、得られたデータ分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金が生じた理由は、海外の学会に参加できなかったため予定していた旅費の使用がなかったこと、また、国内学会の参加が限られ使用がなかった。また、ナラティヴ論、および看護実践に関する専門的知識の提供については、研修会等に参加して得たことから、謝金を使用する機会を持つことがなかった。物品費は専門図書を購入する予定にしていたが、次年度吟味し改めて選書した上で購入することにしたことにより、次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は27年度に情報収集のため海外の学会参加を予定している。また、研究フィールドへの打ち合わせ、調査などに行くための旅費に使用する。研究に関する図書の購入、また、専門的知識を得るための謝金を計画している。
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