研究課題
1.本研究の目的:本研究は、研究代表者が事業推進責任者を務める文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プログラムである「山形発・地元ナース養成プログラム」事業(以下、GP事業)の基盤となる、「地元ナース」のコンピテンシーの要素を明らかにし、構造化することを目的としている。2.平成29年度の研究活動:(1)平成28年度に実施したスウェーデンの医療福祉識者1名へのインタビュー結果をベースに、スウェーデンの看護系大学教員、市町村訪問看護を担当する地域看護師、大学病院の認知症専門看護師の計3名の看護職にインタビュー調査を行った。また、EU圏の看護職就労の状況把握のため、移民局職員及び移民政策研究者各1名にもインタビューを行った。後者には、保健医療サービスの受け手の立場からも語ってもらった。その結果、看護職として対象者をアセスメントする力や関係性の構築力を重視している点は日本と同様であったが、日本のような地元意識は希薄であった(インタビュー対象者全員)。一方、国内調査は東北地方2地域で住民のグループインタビューを実施した。地元住民が思う看護師の優しさの具体等が語られた。以上を踏まえながら、平成27・28年度のインタビュー結果とも合わせ、質的帰納的に分析し、「地元ナース」のコンピテンシーの要素を抽出した。(2)本研究の関連事業として、GP事業のなかで「山形発・地元ナース養成プログラム」展開の基礎的研究に取組んだ。本研究チームのメンバーが参画した発表等は、第37回日本看護科学学会学術集会(交流集会1企画・発表1題)、第20回北日本看護学会学術集会(発表1題)、第44回山形県公衆衛生学会(発表4題)であった。これらの成果はGP事業成果として扱うため今回の研究成果には計上しない。しかし、本研究チームのメンバーが関わったこと、及び「地元ナース」の探究に繋がる研究であるため、ここに記した。