末梢静脈穿刺関連合併症で散見する皮下出血のスキンケアを検討するため、皮下出血部と非皮下出血部の皮膚バリア機能を比較調査した。65歳以上の入院高齢患者50名を対象に、前腕部に生じた皮下出血部とそれに隣接する非皮下出血部調査部位を調査した。計測は、皮膚色・角質水分量・皮脂量・粘弾性・経皮水分蒸散量・pHとした。計測値を比較分析した結果、皮下出血部の角質水分量と皮膚粘弾性が非皮下出血部より有意に低かった。皮下出血部の水分保持機能は非皮下出血部位より低い可能性がある。皮下出血部のケアとして保湿剤を使用が推奨されるが、皮膚の粘弾性が低いことも十分考慮して、保湿剤の選択、塗布の仕方に注意する必要がある。
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