研究課題/領域番号 |
15K15808
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
松村 千鶴 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (50331864)
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研究分担者 |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 化繊タオル / 生地表面の凹凸 / 清拭効果 / 主観的評価 / 客観的評価 / 不織布 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護実践の場において、使い捨ての化繊タオルを用いた清拭が快適であるためのエビデンスを探究することを目的としている。これまで、生地表面が滑らかな化繊タオル(以下、不織布)と、生地表面に凹凸のあるタオル(ループのある綿タオルおよび網目状に凹凸のあるメッシュ状の不織布)を用いて心地よさの清拭効果を実験的に比較した。その結果、生地表面に凹凸のあるタオルでは滑らかな生地表面の不織布に比べ皮膚に受ける触・圧刺激がほどよく感じられ交感神経の興奮を抑えたことから自律神経系の働きに影響を及ぼしていることを明らかにした。そのため、生地表面に凹凸がある素材による清拭は、自律神経系の働きに関与していることは示唆されているが、生地表面のどの程度の凹凸が皮膚に受ける触・圧刺激から心地よさがもたらされるかわかっていない。 そこで、これまでとは全く異なる方法で、生地表面を凹凸にすることを考案した。これを用いた清拭によるその効果は、不織布の生地表面にある凹凸が皮膚に受ける触・圧刺激がほどよく感じられ自律神経系に影響することが推測される。したがって、生地表面に凹凸をつけた不織布で実験的に検討することで生理的・主観的な心地よさをもたらすこと、皮膚の汚れがとれること、皮膚のバリア機能への影響を解明ができる可能性があると考えている。 実践の場において、凹凸のない化繊タオルを用いた全身清拭を入院患者に行い、その効果を健康者と比較検証した結果、不織布による全身清拭効果は、健康者では温度感覚や循環反応に顕著に出現したが、入院患者ではこれらの反応がほとんどなかった。今後、凹凸の程度が異なる不織布を作製したうえで入院患者適用し、例数を増やし検討することを考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
化繊タオルについて、生地表面の凹凸をつけてくれる業者依頼に困難を要している。私どもは幾つか業者に依頼してるものの、勝算がなければ化繊タオルの生地表面の凹凸の程度を変えるのは難しいと快諾してもらえていない。
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今後の研究の推進方策 |
私どもは専門業者に研究の趣旨,今後の展望を説明し,化繊タオルの生地表面の凹凸の程度が異なる製品をいくつか作製してもらう。そして,臨床現場でデータ収集を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が計画より遅れいる。本研究で使用する化繊タオルの改良製品を作製してもらう。その後,臨床現場でデータ収集を行う。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究で使用する化繊タオルについて、業者に生地表面の凹凸の程度が異なる製品をいくつか50セットずつ作製してもらう。 その後,臨床現場で入院患者を対象に,新しく作製した化繊タオルを用いた全身清拭を行いデータ収集をする。その際,被験者となる入院患者への謝礼を渡す。
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