研究課題/領域番号 |
15K15811
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / ディシジョンエイド / 医療の不確実性 / ライフストーリ- / 患者中心の医療 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、1)文献検討、2)①調査と②ディシジョンエイドの開発、3)ディシジョンエイドの質を維持するための評価指標の日本語版開発に取り組んだ。1)ディシジョンエイドおよび意思決定支援とライフストーリーに関連した文献を収集し検討を行った。ディシジョンエイドの開発では、女性の健康に関わる意思決定支援においてライフコースアプローチの考え方を活用できる可能性が示された。2)①ライフコースの見通しと健康の関連についての調査:ライフストーリーを歩み始める青年期女性にとって、人生の将来の見通し(子どもを持つか持たないこと、結婚をするかしないか等)が現在の健康関連行動に影響すると捉えるライフコースアプローチの観点から健康行動と意思決定の関連について調査を行った。②更年期女性のためのディシジョンエイドの開発:更年期女性は女性ホルモンの影響を受け、更年期障害を抱える場合もある。更年期障害をうまく乗り越え、健やかな老年期へのライフストーリーへとつなげるためには、更年期の健康に関する選択肢を知り自分らしく選択する支援が重要であることから、更年期女性のためのホルモン補充療法に関するディシジョンエイドの開発に着手し試案の作成まで行った。3)IPDASi日本語版開発:ライフストーリーを踏まえたディシジョン・エイドの質を維持し開発するためには、ディシジョンエイドの国際基準を踏まえ質を保持する必要があるため世界のディシジョンエイド研究者が構成する組織International Patient Decision Aid Standards Collaboration(IPDAS)が開発したInternational Patient Decision Aid Standards Instrument(IPDASi)(Natalie et al.,2014)の日本語版を作成することとし、作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査やディシジョンエイドの開発に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
IPDASi日本語版開発を進めることで、ディシジョンエイドの質を保持しつつ開発を推進することができると考える。多くの女性が直面する健康課題に対するディシジョンエイドの形成的評価にWeb調査を活用することで、短期間でより多くの女性の意見を踏まえたディシジョンエイドを開発を可能とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はインタビューを先に実施し、調査を後に行う予定であったが、インタビューは実施しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビューの予算として計上していた分は、IPDASi日本語版開発の翻訳委託の費用に充てる。
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