研究課題/領域番号 |
15K15812
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (20327977)
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研究分担者 |
百田 武司 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (30432305)
佐竹 澄子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40459243)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 失語症 / 戸惑い / 気持ち / 様相 / 看護ケア / 質的研究 / 脳神経系疾患 / 看護技術 |
研究実績の概要 |
本研究は、失語症発症直後の患者心理とコミュニケーション障害を支援する看護ケアガイドの作成と評価に先立ち、失語症発症で戸惑う患者の気持ちの様相を分析し、それに対応する看護ケアガイドのアウトライン抽出を行うことを目的としている3年間の研究である。 平成27年度は、当初は、①インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビュー、②特別会話技術を用いたインタビューガイド作成とインタビューアー育成を行うための研究計画を立案していた。①インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビューを行う前の前情報として、国内外の文献検討を研究的に行い、それをもとにフォーカスインタビューとインタビューガイド作成をすることが望ましいとの分担、連携、海外共同研究者の意見から、国内外の文献検討を行った。 文献検討では、検索の結果、国内文献は、図書、論文、学会抄録などを含めて計29件、外国文献では計19件を認た。これらの文献を熟読し、失語症発症間もない急性期患者と家族の気持ちデータを抽出し、カテゴリー化を行った。結果、患者の気持ちは、発症直後に「何だか分からないという感覚」、「何とかなるという悲壮感の欠如」が現れ、その後は「日常が閉ざされたことでの強い不安」、「話せないこと、読めないこと、出来ないことに直面した苛立ち」、「自分では何もできないという気持ち」、が入り交じり、次には「予期できない現実へのショックと混乱」、「なぜ言えないのか、通じないのかという疑問」が現れ、発症1週間後からのデータでは、軽症の失語症患者には「失語症の自覚による落胆」が現れ、重症失語症患者には、「失語症への自覚がないことによる深刻さの欠如」があると分析できた。これらのデータをインタビューガイド作成のためのフォーカスインタビューのための研究計画書の一情報として、計画書を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、①インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビュー、②特別会話技術を用いたインタビューガイド作成とインタビューアー育成を行うための研究計画を立案していたが、国内外の文献検討の研究が加わり、計画を①文献検討、②インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビューの実施をしていたが、①文献検討の国外文献数が多かったことから、文献検討に時間を要することになった。従って、フォーカスインタビューの研究計画書作成までの作業でとどまり、研究倫理審査委員会での承認、研究の実施までには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、①インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビュー、②特別会話技術を用いたインタビューガイド作成とインタビューアー育成を行う計画としている。計画が順調に進むよう、協力研究者を雇用し、インタビューガイドの作成とインタビューアーの育成を尽力を増員して早めにできるようにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の研究計画が、分担研究者、連携研究者、共同研究者の助言により、一部変更となった。 当初、本年度は、①インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビュー、②特別会話技術を用いたインタビューガイド作成とインタビューアー育成を行うための研究計画を立案していたが、国内外の文献検討の研究が加わり、計画を①文献検討、②インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビューの実施としていたが、①文献検討の国外文献数が多かったことから、文献検討に時間を要することになった。従って、フォーカスインタビューの研究計画書作成までの作業でとどまり、研究倫理審査委員会での承認、研究の実施までには至らなかった。そのためフォーカスインタビューの研究計画書作成に対する費用が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(平成28年度)に、インタビューガイド作成のためのフォーカスインタビューの実施するための研究計画書の作成、倫理審査委員会への提出、承認後、フォーカスインタビューの実施を4月から9月の間に行うため、その間で使用する計画である。
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