研究課題/領域番号 |
15K15814
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
忍田 祐美 創価大学, 看護学部, 助手 (00721135)
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研究分担者 |
佐々木 諭 創価大学, 看護学部, 教授 (70463974)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 文化コンピテンス / アセスメントツール / 異文化理解 / 看護学士課程教育 / 国際看護研修プログラム / Cultural competency / Cultural competence / Cultural awareness |
研究実績の概要 |
平成27年度は、まず研究者の所属する看護学部において、国際看護研修に参加した学生の学びの特性と考察し、学習ニーズのアセスメントを行った。具体的には平成26年度に行われた研修に先立ち行われた6か月間の事前学習及び、カリフォルニア大学サンフランシスコ校においての10日間の研修の学びの振り返えりを記述した7名の学生によるポートフォリオの内容を質的に分析し、学びの特性の類型化を試みた。分析の結果、「異文化理解と尊重」「高度な看護ケアの実践」「将来の看護界のリーダーとしての自覚と誇り」「国際的に貢献する意味」「言葉に関する学び」「他者の理解と協働」が抽出された。研修参加を通し、学生は先進的な看護ケアの提供、異文化理解を深めながら自己の可能性を自覚していくプロセスを持ったと推察される。研究成果は、第30回日本国際保健医療学会学術大会2015の一般演題として発表された。
また、研究者は、平成27年度に行われた国際看護研修の行程の一部に参加し、現地における学生の学びの過程を視察、カリフォルニア大学サンフランシスコ校において、異文化看護および文化コンピテンスについての講義を聴講すると共に、教授らにインタビューを行い、より効果的に看護学生が「文化コンピテンス」を育んで行くプロセス、学生のニードについて調査を行なった。
今後は、研修へ参加した看護学部1年生と4年生を対象として、先行研究の概念分析の結果を踏まえ開発されたアセスメントツールを用いて、対象者の「文化コンピテンス」を測定していく。学士課程における看護学生がどのくらい「文化コンピテンス」を持ち、また「文化コンピテンス」への学修ニーズがあるか、そして国際看護研修などの学びの中で育まれていくかを測り、効果的に修得されるであろうプログラムの内容の提案を行うことは、今後の国際看護教育の発展に大きく寄与するものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、学士課程における看護学生の学修ニーズについてのアセスメントは行えた。さらに、より効果的に「文化コンピテンス」を育む海外研修となる内容を提案し、実施することができたのでおおむね良好である。今後は、対象者となる学生らの「文化コンピテンス」を再度測定し、また改良を重ねて行く。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成27年度に行った研究の結果を踏まえて、より効果的に「文化コンピテンス」を含む国際看護研修の内容になるように提案を行い、実施して行く。また研修参加者の研修参加前後の「文化コンピテンス」を測定し、測定尺度を改良していくプロセスを繰り返す。
さらに本研究計画を進めて行くにあたって、研究依頼の説明を研究協力者へ行って行く為に、まず本学の倫理審査への承認を取得し、都内25大学における看護学部生へのアセスメントを行う準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金は、平成27年度の研究計画では必要としなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度のデータ収集・及び分析等に必要な人件費・謝金として使用する予定。
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