研究課題/領域番号 |
15K15824
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
濱田 珠美 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00374273)
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研究分担者 |
石川 洋子 旭川医科大学, 医学部, その他 (30550660)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高度実践 / がん看護専門看護師 / 実践コンピテンシー / シミュレーション / 高度実践看護師 |
研究実績の概要 |
本年度の研究目的は、看護ヘルスアセスメント(シミレーション場面)教育時のシナリオ(好中球減少症の進行肺がん患者・家族)下で、がん看護専門看護師を目指す大学院生の”実践”コンピテンシーが強化する学習経験を記述し、内容分析を行い、基礎的要素を識別することである。研究協力の得られた計3名の、看護ヘルスアセスメント教育時のシナリオに基づく、シミュレーション後、デブリーフィング時の音声記録データを内容分析した。 結果、研究協力者3名(男性33.3%)は、看護師経験年数が平均10年であった。シミュレーション経験者は2名であった。デブリーフィング時間は概ね30分であった。主な要素として、【アセスメント】【リーダーシップ】【チームワーキング】【コミュニケーション】などが抽出された。【アセスメント】では<アセスメントシートを頭で組み立てる><感染リスク判断のため、情報を取りに行く>など【リーダーシップ】を含む要素が含まれた。【チームワーキング】では<医師の判断に活用を促す情報提供>など、【コミュニケーション】では<不安を緩和するための患者・家族とのコミュニケーション>などが含まれた。 好中球減少症の進行肺がん患者・家族への看護実践というシチュエーション下において、がん看護専門看護師を目指す大学院生の”実践”コンピテンシーが強化する学習経験では、【チームワーキング】に不全さを感じていた。つまり、その促進には<医師の判断に活用を促す情報提供>が、自信を持ってできる【自己確信】が必要であると考えられた。そのために、【リーダーシップ】を発揮し、【アセスメント】ができることが重要ではないかと考えられた。以上から、高度実践コンピテンシーの強化は、コンピテンスとしての高度な知識を引き寄せて情報を分析し、各要素を活用できる技術の関連を踏まえた強化が必要ではないかと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、がん看護専門看護師を目指す大学院生の実践コンピテンシー強化・評価に焦点を当てているため、入学者数に影響を受けやすい結果であったが、サンプルサイズは当初予定より少なくとも質的分析に活用するデータ量は分析するに十分足る状況であったため、順調に進展することができた。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり進捗しており、平成28年度計画予定を順調に進行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定より研究参加者数が少ない中で分析に足るデータを得たため、テープお越し代金ふくむ謝金支出が予定より抑制できた。一方、実践場面のシミュレーション下では、音声データ収録が想定以上に不安定であることがわかったため、実践中でも高性能な集音録音機器を必要とすることがわかり、その分の支出が増えた。また、研究進捗に合わせた米国Pittsburgh University 看護学科 Richard Henker教授らとの応答が次年度以降で効率的にできる可能性があるため、今年度の旅費支出を抑制し、来年度へ振り分けることとした。
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次年度使用額の使用計画 |
残額については、次年度以降の米国Pittsburgh University 看護学科 Richard Henker教授らとのミーティングに関する旅費へ組み入れた使用計画とする。
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