研究課題/領域番号 |
15K15826
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
神田 清子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40134291)
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研究分担者 |
清水 裕子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (70310240)
吉田 久美子 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (70320653)
藤本 桂子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (80709238)
菊地 沙織 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (10758254)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護学 / 外来化学療法 / がんサバイバー / 社会役割 / 調整アルゴリズム |
研究実績の概要 |
外来化学療法に携わる看護師には, 症状マネジメントや地域社会に生きるサバイバーの社会生活の調和を支援するという重要な役割がある。本研究の目的は,社会的役割の調和を図る多職種支援モデルを質評価指標である「構造」「過程」「結果」から提案し,その有効性を検証することである. 役割と課題を明確にするため, A県内のがん拠点病院に勤務する看護管理者10名およびエキスパート看護師13名にフォーカス・グループ・インタューを行い, 内容分析の手法を用い質的記述的に分析した。結果, 看護管理者は<生活を維持するための支援><外来看護師の教育と効率的な活用><看護師以外の資源の活用><外来看護師の教育と効率的な活用><化学療法センターの看護手順の見直し>の5カテゴリーが抽出された。 看護師はサバイバーの<生活者としての社会生活の意味づけ><把握した生活関連情報を多職種に提供><多職種協働での副作用症状マネジメント><サバイバーの特性を見極めた生活支援><他部門と調整し多職種で経済や困難な状況に対応><仕事・生活を重視し治療継続できるシステムの整備>の6カテゴリーが抽出された。 これらの結果から外来看護師がサバイバーの社会的問題のアセスメント・判断ができ,多職種と協働しながら支援するためのアルゴリズムを4つの時期(初回治療時・継続治療診察時・治療変更時・症状悪化時)に分け開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多職種支援モデルを質評価指標である「構造」「過程」「結果」から提案する予定であったが, 質的記述的分析結果から, 外来看護師が日常的にがんサバイバーの社会生活役割を遂行できるように多職種と協働し, 調整するためのモデルに変更した方がよいと考えた。介入のためのアルゴリズムを開発し, 介入の段階にはいっているため順調とする。
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今後の研究の推進方策 |
1.アルゴリズムによる支援を実施し, データを蓄積する:1)3施設の倫理書類の作成,委員会の承認後開始する 2)介入内容:看護師が中心となる多職種による支援モデル(4場面) ①看護師の社会的問題のアセスメント・判断基準・アルゴリズムにより調整, 多職種による相談件数,離職率など質・量的の両面から指標を設定する。3)対象人数30名4)実施場所:外来化学療法室および放射線外来 2.収集したデータを分析し, 看護師を中心としたアルゴリズムを用いた多職種支援モデルの効果を判定する
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次年度使用額が生じた理由 |
アルゴリズムによる支援介入計画は順調に進んでいるが, 実際の支援が始まっていないため協力者に対する謝金や調査資料の印刷, 調査データ入力などのための人件費が次年度に繰り越されたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
調査協力者に対する謝金,調査協力施設との調整のための交通費,調査資料の印刷,調査データ入力の人件費に使用する。
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