研究課題/領域番号 |
15K15828
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
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研究分担者 |
升谷 英子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70213759) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 末梢神経障害 / 化学療法 / 転倒 / がん患者 |
研究実績の概要 |
本研究の2年間での目的は、外来化学療法中の化学療法誘発末梢神経障害があるがん患者の転倒の実態と転倒の危険因子を明らかにし、化学療法誘発末梢神経障害をもつがん患者の転倒予防のリスクマネジメントプログラム構築への示唆を得ることである。 初年度となる平成27年度は、CIPN(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy)の転倒を予測する危険因子について概念枠組みを作成し調査に向けての準備を行なった。 まず、概念枠組み作成ためにCIPNに関する文献を収集し、測定に必要な内容を精選し検討した。次にCIPNを測定するために信頼性・妥当性のある質問紙について検討した。我が国で使用されているCIPN測定の尺度は、Patient Neurotoxicity Questionnaire日本語版、またはFACT/GOG-Ntx(Functional Assessment ofCancer Therapy-Neurotoxicity)日本語版であった。PNQ日本語版は、タキサン、シスプラチン、カルボプラチンのより生じるCIPNの測定においては、信頼性と妥当性が検証されている。簡便で患者にとっては、記載が容易であるが、他の薬剤によるCIPNの評価に用いることの妥当性について、今後さらに専門家と検討が必要である。PNQ日本語版と米国で開発されたCIPNの症状および活動への支障を測定する尺度であるCIPNAT(the Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy Assessment Tool)との比較検討を行っており、CIPNの測定尺度を検討中である。また、科研の資格を持たない、多施設の研究者とデータ収集について検討を始め、各調査施設での倫理委員会申請について準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CIPN(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy)の測定指標の検討に時間がかかり、データ収集への取り掛かりが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、外来化学療法を受けるCIPN(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy)のある患者を対象に質問紙調査を実施し、使用薬剤、症状の程度、転倒自己効力感尺度得点等どのような違いが、転倒に関係しているのかを記述統計で明らかにする。さらに、CIPNのある患者の転倒に影響する危険因子を探索から、アセスメント及びスクリーニングに用いることができる指標を明らかにすることにより転倒予防のリスクマネジメントプログラムへの看護の示唆を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集の開始が遅れたことにより、データ収集にかかる経費の執行が行なわれていないため。また、データ分析に使用する分析ソフトの購入の執行が行なわれていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集が早期に始められるように調整中であり、データ収集が実施できれば予定通りの執行となる。
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