研究課題/領域番号 |
15K15829
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
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研究分担者 |
齊藤 奈緒 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20403298)
尾崎 章子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30305429)
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (90514050)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 術後せん妄 / 睡眠 / 身体活動 / 周手術期看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、睡眠と活動指標の可視化が可能なライフ顕微鏡を用いて術前術後の睡眠活動指標を経時的に把握し、これらを指標とせん妄発症との関連に基づいた術前からはじめる高齢患者せん妄発症予防支援プログラムの開発を目的としている。29年度は心臓血管外科の外来受診中および入院中の患者で、開胸術による冠動脈バイパス術、弁形成・置換術、人工血管置換術を予定している患者(カテーテル治療、ステント留置術、TAVIなどは除く)を対象に入院前活動量と術後せん妄発症の実態を調査した。腕時計型3軸加速度計測機器を用いて入院前の自宅での活動量を3~7日間計測し、覚醒時METs、低強度身体活動(1.5~3METs)時間(分)、中等度以上の身体活動(3METs以上)時間(分)を分析した。術後せん妄は日本語版ICDSCにより評価し記述統計を行った。調査協力が得られた対象は男性30名、女性14名、年齢65.5±11.4歳、弁膜症23名、冠動脈及び大動脈疾患20名、その他1名であった。その結果、全例の覚醒時METsは1.31±0.1、低強度身体活動時間は150.1±74.4分、中等度以上身体活動時間は9.6±12.1分であった。せん妄発症群(8名)では各々1.26±0.1METs、140.7±114.3分、9.2±15.5分、亜症候性せん妄発症群(18名)では1.32±0.2 METs、152.1±72.4分、8.3±14.4分、せん妄を発症なし群(18名)では1.33±0.1 METs、152.3±57.6分、13.4±11.6分であった。術後せん妄を発症した群では低強度から中等度以上の身体活動を行う時間が短い傾向が認められ、術後の円滑な心臓リハビリテーション導入のためにも術前の身体活動維持への支援が必要であると考えられた。その他の患者背景との関連の検討により支援プロトコールを試作中である。
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