研究課題/領域番号 |
15K15834
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
吉田 恵理子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (00284638)
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研究分担者 |
福田 理香 活水女子大学, 健康生活学部, 教授 (30312838)
永峯 卓哉 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70326487)
阿南 祐也 活水女子大学, 健康生活学部, 准教授 (20630693)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 運動機能障害 / ロコモティブシンドローム予備軍患者 / 運動支援モデル |
研究実績の概要 |
本研究では2型糖尿病患者を対象に、ロコモの実態、セルフケア能力、自己効力感、身体機能を明らかにし、糖尿病(DM)と運動機能障害を併せもつ患者への運動支援について検討した。 3年間でDM群379人(66.5歳)、nonDM群73人(65.1歳)を対象に調査した。DM群とnonDM群間の年齢に有意差はなかった。BMIでは、DM群平均25.0、nonDM群21.9で有意差があった。 ロコモ分類では、DM群では、非ロコモが93人(24.5%)、ロコモ度1が146人(38.5%)、ロコモ度2が140人(36.9%)であり、nonDM群では、非ロコモが52人(71.2%)、ロコモ度1が16人(21.9%)、ロコモ度2が5人(6.8%)であった。DM群のロコモに分類された対象者が75%と有意に多かった。年齢では、DM群は、非ロコモが60.5歳、ロコモ度1が66.4歳、ロコモ度2が70.5歳であり、nonDM群では、非ロコモが62.9歳、ロコモ度1が68.7歳、ロコモ度2が76.6歳であり、両群とも有意差があった。BMIは両群ともにロコモ度分類での差はなかった。 DM群のうち、122人を対象に、糖尿病に関するセルフケア能力、自己効力感について調査した結果、全体的に良好で、ロコモ分類との有意な差はなかった。 DM群122人とnonDM群73人を対象に身体機能を測定した。両群ともロコモ分類では、ロコモ度が上がるほど測定したすべての身体機能が低下していた。特に身体の痛みと痛みによる日常生活への影響が大きいほどロコモ度が上がっていた。 糖尿病患者の場合、セルフケアができている患者でも、身体に痛みが生じると日常生活へ支障が生じ、立つ・歩くなどの機能が低下しやすいことが考えられる。そのため、急激な身体機能の低下が生じ、通常よりも早い時期にロコモ度が上がる。本調査結果より早期からの運動支援の必要性が示唆される。
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