研究課題/領域番号 |
15K15835
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中村 美鈴 自治医科大学, 看護学部, 教授 (10320772)
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研究分担者 |
明石 惠子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (20231805)
宇都宮 明美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80611251)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 急性・重症患者 / 回復 / クリテイカルケア / 看護実践モデル |
研究実績の概要 |
クリティカルケア領域における急性・重症患者の治療に対する看護実践は多く報告されているが、「回復」という看護独自の切り口での看護実践は体系化は極めて少ない。これまで体系化されていない急性・重症患者の回復を促す看護実践のモデルが構築できれば、急性・重症患者の回復促進と回復意欲の向上、QOL向上につながると期待できる。 以上の背景より、本研究は、何らかの原因・要因により、急激な健康破綻を生じ、医療・看護を要する急性・重症患者の回復を促す看護実践の構成要素を明らかにし、看護モデルの確立とその臨床への応用までを目指している。今年度の研究目的は、急性・重症患者の回復を促す看護実践について、明らかにすることであった。 研究方法は、クリテイカルケア専門看護師並びにクリテイカルケア専門看護師準備中の者に、ファーカス・グループインタビューを5グループに実施した。調査項目は、個人属性並びに回復を促した看護実践の具体例、看護ケア提供システム、回復に影響すると考える要因(促進要因、阻害要因)、回復を促すための今後の課題であった。フォーカス・グループインタビューから得られた内容から逐語録を作成し、観察者によるフィールドノーツから記載内容を補助データとして、適宜、記載した逐語録を熟読することで、得られたデータの全体像を把握する。研究対象者全員の言語的表現、非言語的表現を吟味する。回復および回復力を高める看護実践や回復および回復力を促進する要因に関する重要内容や意味深い内容(以下、重要アイテムと記す)を構成要素として抽出する。抽出した重要アイテムの意味内容の解釈を行う。二次分析では、一次分析で抽出した重要アイテムとその背景要因から、重要カテゴリを抽出する。研究目的に即して、類似した意味ある内容のまとまりを重要カテゴリとし分類中であり、興味深い看護実践内容が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗は、研究代表者の研究推進により、概ね予定通りに進行している。次年度は最終年度である。進捗では問題ないが、見出された研究結果により、看護実践モデルの方法を検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、得られたデータ分析の結果から、回復を促す看護実践のカテゴリをもとに、質問票を作成予定である。その結果から、看護実践モデル案を構築する予定である。これらの研究活動を推進するために、分担研究やな並びに研究協力者に、1-2か月に一度、定期的に会議を開催する。また、会議の際の打ち合わせ事項は会議録ならびに研究ノートに記録する。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで見出されていない看護実践モデルの構築に取り組んでいる状況から、データ収集のための旅費、ならびに最新の研究動向を知るための旅費、専門家会議を開催するための会議費を要する。
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次年度使用額の使用計画 |
上記理由により、支出しなければならない旅費等の金額は、効果効率よく使用する。
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