研究課題/領域番号 |
15K15841
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
富田 真佐子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10433608)
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研究分担者 |
鈴木 直美 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (10289308)
細川 康輝 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20341266)
辻岡 卓 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20389159)
戸川 聡 四国大学, その他部局等, 准教授 (20399166)
布谷 麻耶 (吹田麻耶) 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (70514735)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | e-ポートフォリオ / セルフケア支援 / 炎症性腸疾患 |
研究実績の概要 |
本研究は炎症性腸疾患患者を対象に慢性疾患におけるセルフケア支援の新たな試みとして、「e-ポートフォリオを用いた看護師との面接によるセルフケア支援の開発」を目的としている。ポートフォリオでは自分の生活や健康状態を自分自身でアセスメントし、自らの目標(マイゴール)を定める。e-ポートフォリオには、患者が日々生活する中で体験した症状や習得したセルフケア能力、知識、健康管理状態を示す生理学的データや検査結果、食事記録あるいは健康管理に役立つWeb情報や新聞の切り抜きなどを保存する。当初、安価なアプリを利用する予定であったが、自作のe-ポートフォリオシステムを新たに開発し、これを用いた看護支援プログラムの構築を目指している。 1.e-ポートフォリオの開発:ポートフォリオに保存する内容を検討し、項目や評価方法などについて検討を重ね、初めに手書きのポートフォリオを作成した。これを用いて5名の患者に実際に2週間試用していただき、意見から修正を加えた。この内容をe-ポートフォリオとしてタブレットPCで活用できるアプリを開発中である。早期に試作を完成させ、確認作業を行う予定としている。 2.セルフケア支援方法の準備:e-ポートフォリオをセルフケアに役立てるため、マイゴールシート、ポートフォリオの使い方マニュアル、看護師との面接手順、支援内容について統一した介入が可能となるようにツールを作成中である。 3.研究施行のための調整:実際の介入方法と手順、対象者への依頼方法、介入効果の測定については準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
e-ポートフォリオを活用したセルフケア支援のアプリ開発とプログラム作成について準備を進めている。当初既存のアプリを利用する予定であったが、独自のアプリの作成が可能となり、プログラミングを進めている。また手書きのポートフォリオを実際の協力者に使っていただき、内容を検討した。それに基づいてセルフケア支援の手順やマニュアル作成も終えている。ただし予定していた本調査に対する倫理審査は遅れており、準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1.e-ポートフォリオに使用するアプリ開発:本年度6月をめどに試作ができる予定であり、それを元にセルフケア支援の内容と一致するよう入力項目や内容を整理する。 2.セルフケア支援プログラムの完成と実施:開発したアプリを使用するにあたり、もう一度セルフケア支援の手順やマニュアルを修正する。研究協力者への依頼手順や書類を整備し、7月には本調査に対する倫理審査を受ける予定である。データ収集協力機関との連携を密にし、対象者の依頼と実施について円滑にすすめられるよう調整する。 3.セルフケア支援の効果測定:効果指標について既存の尺度については開発者への許可申請を行う。独自に開発したQOL尺度については論文化する。セルフケア支援プログラムの介入と同時にデータ分析をすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費:研究会議のための旅費(東京-徳島)を3回予定していたが、研修講師の招聘にて旅費付の出張の機会が数回あり、旅費がかからなかった。 アプリ開発にあたり一部業者委託を予定しているが、今年度は未だ委託しておらず費用がかからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、e-ポートフォリオのアプリ開発が本格化し、デザイン等一部を業者委託するための費用が生じる。また対象者に貸し出すタブレットPCを20台購入予定である。分析にあたり統計ソフトを追加する。研究者会議の旅費も必要となる
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