本研究は肺癌化学療法を受ける患者の身体活動量、身体組成(筋肉量と体脂肪量)、筋力を測定し、サルコペニアを判別し、測定項目が身体活動量へ与える影響について検討した。対象者は32名で、1.5METs未満の低強度活動時間が1日の起居時間の7割を占めた。平均歩数を従属変数とし、その他測定項目を独立変数として重回帰分析を実施した結果、握力が強く、体脂肪率が少ないと平均歩数が多く、また慢性閉塞性肺疾患(COPD)などを併存症とする者では、筋肉量が少なく体脂肪率が増加し、化学療法によりサルコペニアに移行しやすい状況であることが示唆された。
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