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2016 年度 実施状況報告書

アトピー性皮膚炎患児と家族に対する看護師PAEの教育効果の評価指標の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K15850
研究機関岐阜大学

研究代表者

杉浦 太一  岐阜大学, 医学部, 教授 (20273203)

研究分担者 山田 知子  中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80351154)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードアトピー性皮膚炎 / 小児アレルギーエデュケーター / スキンケア指導 / 患者教育
研究実績の概要

研究の目的と方法及び倫理的配慮について説明を行い、フォーカスグループインタビューに同意の得られた小児アレルギーエデュケーター(PAE)4名を対象とした。平成28年11月に、対象者に対して平成27年度に行った文献検討の結果(平成28年9月に学会発表)についてプレゼンテーションを実施した後、インタビューガイドを用いて、①アトピー性皮膚炎(AD)に対するスキンケア指導の内容と②指導の効果をどのような側面から評価しているかについてインタビューを実施した。インタビュー内容は全員の同意の上で録音し、逐語録にしたものを分析した。
分析の結果、PAEは、ADのスキンケア指導の効果を、①ADの症状を書き込む独自の体の絵、②薬の使用量(軟膏の残量)、③処方されるステロイドの強さの変化、④医師が診療録に残したADの写真、⑤医師がカルテに記載した重症度、⑥SCORAD、⑦親の主観的評価、⑧看護師が診療録に記載した親の反応(言動)、⑨親の療養行動(セルフケア)に対する自信の程度、⑩皮膚の改善度を評価する親の力、⑪行動変容の成果に関する親の実感、⑫QOLの視点からみた言動の変化、の12項目で評価していた。
①~⑥の項目は、ある程度客観的な評価指標と考えられ、医師と共有できるものであった。しかし、⑦~⑫の項目は、客観的な評価ではないが、PAEが継続して経過を見るためや、病棟から外来へと継続的に関わっていくために用いられていた。PAEは、⑨を評価するために自記式のチェック表を用いていた。また、⑫については、眠れるようになった、痒みがなくなった、笑顔、表情、半袖が着られる・スカートが履ける、うつむかなくなる、といった具体的項目があがった。
⑦や⑩、⑪に関連する看護師の実践行動として、医師立ち会いのもとで、診察時に母親に自分のスマートフォンでADの写真を撮影させ、次回受診までの変化が分かるようにしていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度の遅れによって、平成28年度に実施した内容は、交付申請書の平成27年度後半から平成28年度前半に実施する予定であったが、本務校における倫理審査受審と、承認後に研究対象者のリクルートをする必要があったため、平成28年度後半に実施予定であった、PAEおよび医師への個別インタビューまでは行うことができなかった。本務との兼ね合いで、インタビューの分析も研究者2名での日程調整が難しかった。しかし、研究組織が2名になったことで、インタビューの分析は比較的スムーズに行うことが可能となり、年度内に分析を終えるることができた。

今後の研究の推進方策

現在までの遅れを取り戻すことは非常に難しいが、遅れながらも研究は着実に進められている。そのため、平成29年度は、平成28年度後半に実施予定であったPAEとアレルギー専門医への個別インタビューを平成29年9月末までに終了し、スキンケア指導の効果を見るための評価項目の妥当性を高めて評価ツール作成までを目ざすこととする。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度前半に実施予定であった小児アレルギーエデュケーター(PAE)のフォーカスグループインタビューが平成28年度後半にずれ込んだため、年度後半に実施予定であった、PAEとアレルギー専門医への個別インタビューが実施できなかったため。さらに、購入予定であったSPSSの購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

繰り越し分は、平成29年度9月末までに実施予定である小児アレルギーエデュケーター(PAE)およびアレルギー専門医への個別インタビューを実施するための旅費、テープ起こし代等で使用していく予定である。個別インタビューへの協力者のリクルートは、第34回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会で行う予定である。平成29年7月のSPSSの購入に関しては、個別インタビューへの支出状況を見ながら検討する。
また、平成28年度の研究成果に関しては、日本看護科学学会第37回学術集会で発表予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アトピー性皮膚炎患者への治療・教育・指導効果の評価手段に関する文献検討2016

    • 著者名/発表者名
      杉浦太一、山田知子
    • 学会等名
      第18回日本看護医療学会学術集会
    • 発表場所
      日本福祉大学東海キャンパス
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-17

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公開日: 2018-01-16  

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