研究課題/領域番号 |
15K15852
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菅沼 信彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30179113)
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研究分担者 |
木須 伊織 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30445267)
原 尚子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50624243) [辞退]
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265875)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子宮移植 / レシピアント/ドナー / 臨床適用 / 社会的コンセンサス |
研究実績の概要 |
我々は2008年より「子宮移植プロジェクトチーム」を組織し、子宮移植の臨床適用を計画しているが、当診療技術を施行するためには倫理・社会的問題の解決が必須である。その糸口として、対外的には「日本子宮移植研究会」を既に立ち上げ、関係する医療者間の相互理解、ならびに一般社会に向けての情報発信を目指してきている。そこで看護学系の立場から、わが国における①一般市民の子宮移植医療に対する意向と許容度の再調査、および②レシピアント/ドナーとして関与すると予測される患者等の意思を解析する。さらに、実際に子宮移植による妊娠・出産に既に成功したスウェーデンの医療機関を訪問し、③スウェーデンの子宮移植の臨床実施に際しての倫理・社会的対応を現地にて聞き取り調査することを計画した。 ①として、一般市民においても代理懐胎・代理出産以上に子宮移植を倫理的に許容するという調査結果が得られた。②として、先天性腟欠損症(Mayer-Rokitansky-Kuster-Hauser症候群:MRKH症候群)患者の、子宮移植に対する意識調査を、患者会を通じて行ったところ、期待感はあるものの、多くの不安も有することが明らかとなった。③に関しては、2016年1月にスウェーデンにおいて、国際子宮移植学会(International Society for Uterus Transplantation:ISUTx)立ち上げのための会議が開催され、研究代表者ならびに研究分担者の木須が参加し、研究代表者がvice presidentとして関与することになった。今後、スウェーデンにおける子宮移植施行時に、来訪・見学の許可を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の①一般市民の子宮移植医療に対する意向と許容度の再調査、および②レシピアント/ドナーとして関与すると予測される患者等の意思を解析に関しては、ほぼ研究が終了し、平成28年度日本生殖医学会、日本受精着床学会にて発表予定であり、現在準備中である。また学術誌に投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
③スウェーデンの子宮移植の臨床実施に際しての倫理・社会的対応を現地にて聞き取り調査に関しては、既に相手校より許可を得、実施時期に合わせ訪問予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
③スウェーデンの子宮移植の臨床実施に際しての倫理・社会的対応を現地にて聞き取り調査に関しては、平成27年度は相手校にて実施がなく、海外調査を行わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の実施時期に合わせ、イェーテボリ大学を訪問予定である。
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