本研究の目的は、地域に暮らす障害のある子どもとその家族の災害発生時における連携ニーズを明らかにし、支援体制を整え、総合的支援活動を実施するための連携方法の構築であった。平成29年度の研究実施計画は、平成28年に実施したアンケート調査のデータを分析し、まとめたものを看護系学会の学術集会にて発表することとまとめた論文を看護系学会誌に投稿し、掲載されることであった。 平成29年度は、研究協力者である障害児の母親達の会との共同開催である公開講座の第4回目を開催した。継続内容は、災害時に必要となる備えや応急手当の方法、障害者の災害時における避難支援のポイント等の災害時の適切な対応、身体の不自由な方の座位から車椅子への移動であり、平成29年度は、車いすから自家用車への移動を加えて実施した。参加者は、平成28度と同数程度であり、実施後のアンケート結果は、おおむね好評であり、今後も継続の希望が多く、本研究が終了しても今後、宮城大学の地域連携センターの担当教員と自主的に参加を表明した教員で活動を継続していくこととなった。また、平成28年に実施したアンケート調査からは、宮城大学近隣に居住している障害のある子どもとその家族の災害発生時における連携ニーズが明らかとなった。また、災害発生時の障害者とその家族との協力体制作りの基盤構築について、研究開始前からの4年間での会議開催や公開講座開催が今後も継続されることとなっているため、今回の研究の目的は達成し、意義があったものと報告する。 平成28年に実施したアンケート調査のデータを分析し、まとめたものの要旨を第20回北日本看護学会学術集会にて発表し、現在、日本災害看護学会誌に投稿中である。障害児の母親達の会にインタビュー調査した研究については、第20回北日本看護学会学術集会にて発表後論文にまとめ、北日本看護学会誌に投稿し、掲載された。
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