研究課題/領域番号 |
15K15864
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
今村 朋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (20458095)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 内診 / 外診 / 教材開発 / 生体モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、助産学生が分娩進行状態の診断能力を習得するための新たな演習用教材として、外診所見(腹部触診)と内診所見を統合した生体モデルである「外診・内診一体モデル」を開発することである。今年度は、1年目に開発した一次試作品に改良を加えた2次試作品の開発と学生への調査を実施した。 2次試作品の改良点は、「分娩進行が一目でわかる」ために、分娩各期の様々な状態が設定できるパーツを開発することと、さらにその所見を可視化できる機能の実現である。 作成した2次試作品は、「母体」「胎児」「子宮口」「羊水」のパーツからなり、それを自由に組み合わせることによって、目標としていた外診・内診の演習や頭位における分娩各期の様々な設定が可能となった。「母体」部分の腹部の表皮は、めくれるような形状とし、骨盤内腔には外陰部へとつながる膣壁を付加し、産道の一部は透明な素材で作成した。さらに産道部分のstation±0の高さに円周状の基準線を記した。また「胎児」部分の児頭最大周囲にも円周状の基準線を記した。これらの工夫により、母体腹部内の透明な産道部分から胎児を可視化でき、「下降度と回旋」を視覚的に確認できる形状となった。 評価としては、助産師である開発者が、様々な分娩進行状態の設定で教材の効果を確認した。まず、外診で児背等の触知から胎向と回旋を診断し、頭部の触知から骨盤進入状況や下降度を診断した。次に、同じ設定のまま内診を実施し、子宮口の所見を診断した後、坐骨棘と児頭先進部・骨縫合の触知により下降度と回旋を診断した。その後、母体の腹部表皮をめくる「可視化状態」にすることで、自分が触れている指の動きや、児頭と骨盤の位置関係を直接的に見ながら、診察結果の正否を確認することができた。さらに学生への調査を行い、教材のわかりやすさを確認するとともに、最終年度に向けた改良点を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教材の開発は順調に進んでおり、基本的な形状や機能について方向性が定まった。 学生への調査による改良点の明確化もでき、実際に演習に用いる際の工夫なども明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度で教材を完成させ、学生への調査を実施し、予定通り教材による教育効果を評価していくことが可能である。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね予定していた通りの執行状況である。
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次年度使用額の使用計画 |
生じた残額については、少額であるため、物品費などの支出に繰り越す予定である。
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