研究課題/領域番号 |
15K15866
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉野 八重 北里大学, 看護学部, 准教授 (80433720)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Continuing Education / Sustainable development / Web conference / Nurse and midwife / MCH / Human resource / low cost |
研究実績の概要 |
平成28年度は量的研究結果の一部を連携協力者と共に6月にタイのチェンマイの国際学会Optimizing Healthcare Quality: Teamwork in Education, Research, and Practiceで発表した。ルワンダの看護職、ジャマイカの助産師、タイ北部の大学の看護教員から共同研究ができないかと打診もあった。低コストな継続教育のモデルが開発途上国で求められていることが再度、確信できた。タイ訪問に際してチェンマイ大学看護学部とアポイントメントを取り、学部長(同学会長)、副学部長、母性、小児、地域看護の教員から母子保健概況、継続教育、将来的な共同研究の可能性やテーマに関して協議をした。また、保健省看護専門官との面談により、看護政策、看護教育における問題点や課題、遠隔地の継続教育に関する情報収集ができた。 2月にはロンドンで開催されたLSEHSC International Health Policy Conference 2017に参加した。グローバルな医療人材の流動と不足、継続教育について情報を得た。今後15年間以内に深刻化する看護人材の世界的不足の発表が非常に興味深かった。ミレニアム開発目標に代わり、国連が提唱する持続可能な開発目標に関する討議が白熱した。米国の終末期医療における麻薬とマリファナの使用に関する政策提言も貴重な知識を得る機会となった。また、学会期間中にロンドン大学グローバルヘルス研究所学科長の共同研究者Dr. Chris Willott氏と研究の進捗状況に関して協議することができた。 英文雑誌投稿は3月末に国際看護協会のInternational Nursing Review(INR)に質的研究結果を投稿した。編集者のアドバイスと投稿規定等に合わせて現在、共同研究者らと書き直しを進め、6月初旬の期限までに再投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、質的データに関しては、すでに英文雑誌への論文投稿まで進展している(現在、編集者のアドバイスと投稿規定に沿った修正をしている)。また、量的データの結果については、分析・考察まで書き終えているが、字数を大幅にオーバーしているため、共同研究者らと共に推敲している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、研究結果から得られたものをベースに文献検討を重ね、モンゴルと同様の発展状況にある開発途上国での導入ができるよう、「継続教育モデルの汎用化」をめざし、その枠組みとコンテンツについて、さらなる検討を重ねる計画である。汎用化のモデルの枠組みについては、さらに考察を深め、新たな論文への投稿を検討している。 また、モンゴルでの調査結果について、10年以上カウンターパートであるモンゴル国立医科大学で2017年9月にモンゴルのウランバートル市において開催予定の国際学会での基調講演、特別講演を依頼されている。本研究の結果をモンゴルの看護職、医療職らと広く分かち合い、今後の発展のための協議の機会として有意義に活用したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、モンゴル国立大学で開催される国際学会での基調講演、特別講演(招待)の依頼があった。これは研究計画書提出の時点では、予想できない支出であった。 モンゴル国の経済事情から、渡航費用(航空運賃、宿泊費など)は、講演者自身が負担せざる得ない状況がある。
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次年度使用額の使用計画 |
連携強力者と共にモンゴルに渡航し、カウンターパートであるモンゴルの関係者や当事者であるリーダーらと本研究の成果を共有する予定である。また、カウンターパートらと今後、研究をさらに発展させていくための研究計画に関する協議を行う予定であるため。①渡航費用(航空券、宿泊費用、日当)②研究成果の論文の投稿費用、印刷費用として用いる予定
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