研究課題/領域番号 |
15K15871
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
野口 眞弓 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40241202)
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研究分担者 |
多賀谷 昭 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70117951)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アウトリーチ / 育児支援 / 産後ケア / 育児ストレス / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
本研究では、対象地域で開始されたアウトリーチによる産後ケアサービスの効果とその条件を検討することを目的とした。今年度は、自治体の協力を得て産後ケアサービスを整え、支援を必要とする育児中の母親の発掘を試みた。関係機関の協力により、従来のサービスに加えて宿泊型サービスや食事の提供を開始し、利用可能施設も増やして、妊産婦への広報活動を行った。 しかし、妊婦からは産後ケアのサービスがあることは心強いという意見を多数得たものの、産後ケアサービスを利用した母親はいなかった。そこで、以下のような研究計画の再構築を行った。 当初の計画では、産後ケアの効果を質問票と生理的指標(加速度脈波、αアミラーゼによるストレス強度)で評価する予定であったが、産後ケア利用者がいないため、研究の場を0~2歳児とその保護者が集う子育て支援施設に変更し、そこで提供される講座への参加によるストレス低減効果を測定することにした。研究の場の変更および対象者の拡大に伴い、質問票は、生後ケアに特化した当初の質問紙から、育児に関するより一般的な質問紙へ変更し、また、生理的指標の測定は加速度脈波のみとした。 当初の計画では、ホームページを開設して産後ケアを中心に意見交換を行う予定であったが、産後ケアサービスの利用者がいなかったので、まず、ケアニーズに関連する地域特性を詳細に把握する必要がある。そこで、新たに出産育児に関する支援に焦点を当てたソーシャルキャピタルのアセスメントツールを作成することにした。研究対象地域は工業労働者の暮す新興住宅地域と由緒ある年中行事を開催している伝統的地域を含んでおり、従来の質問項目では対象地域の多様なソーシャルキャピタル、特に伝統的地域のそれを適切に評価できない可能性があるので、フィールド調査を行い、それに基づいて質問項目を作成することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究対象として予定していたのは自治体が開始したアウトリーチによる産後ケアサービスの利用者であったが、対象者が得られなった。今年度は、当初の計画通り、自治体の協力を得て、従来のサービスに加えて宿泊型サービスや食事の提供を開始し、利用可能施設も増やして、妊産婦への広報活動を行ったが、研究対象となる予定であった産後ケア利用者がいなかった。このため、研究対象者の拡大と調査内容の変更が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
産後ケアサービスの利用者がいないため、対象者を子育て支援施設で提供される講座に参加する0~2歳児の母親に変更し、参加によるストレス低減効果を測定する。また、これに伴い、質問票は、生後ケアに特化した当初の質問紙から、育児に関するより一般的な質問紙へ変更し、また、測定する生理的指標は、加速度脈波とαアミラーゼの予定であったが、加速度脈波のみとする。当初の計画では、ホームページを開設して産後ケアを中心に意見交換を行う予定であったが、産後ケアサービスの利用者がいなかったので、まず、ケアニーズに関連する地域特性を詳細に把握するため、新たに出産育児に関する支援に焦点を当てたソーシャルキャピタルのアセスメントツールを作成する。研究対象地域は工業労働者の暮す新興住宅地域と由緒ある年中行事を開催している伝統的地域を含んでおり、従来の質問項目では対象地域の多様なソーシャルキャピタル、特に伝統的地域のそれを適切に評価できない可能性があるので、フィールド調査を行い、それに基づいて質問項目を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象を変更する必要性があり、研究計画の修正に時間を要した。
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次年度使用額の使用計画 |
ホームページの作成をとりやめ、育児支援を視野にいれたソーシャル・キャピタルのアセスメント・ツールを開発するためのフィールド調査を行う。
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