本研究の目的は、演劇を活用した授業が看護学生にどのような教育効果をもたらすかを明らかにすることである。看護学生、助産学生、保育学生に対し、産褥期の母親及びその家族が直面する様々な問題を劇化した教材を、生演劇と、ナレーションや字幕等の説明をつけDVD化した映像メディアで鑑賞させ、それぞれに対する思いや気づき、感じたことなどの感想を授業評価として記述させた。その内容を分析した結果、演劇を活用した授業では、対象となる人物の情緒面への理解が深まる傾向がみられ、特に生演劇においてその傾向が強かった。これにより、看護という人を対象とする領域の教育の教材として演劇の活用は有用であることが示唆された。
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