研究課題/領域番号 |
15K15879
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 良子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10275498)
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研究分担者 |
菅野 恵美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431595)
丹野 寛大 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10755664)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 体位変換 |
研究実績の概要 |
日本は世界に例のない速度で超高齢化社会へと向かっており、近年手術を受ける後期高齢者、とくに超高齢者と呼ばれる85歳以上の対象者が増加している。年齢に関わらず、術後の早期離床の効果は検証されている。全身麻酔後の術後患者の安全な早期離床には、意識レベルの改善と循環動態の安定が判断指標となる。意識レベルは呼名反応、従名動作により評価できるが、循環動態の評価は困難な場合が多く、心拍数や血圧などが安定しており意識レベル改善が確認できた患者に突然の心房細動、徐脈による血圧低下、眩暈などが出現する場合がある。本研究は、全身麻酔を受けたとくにリスクの高い85歳以上の超高齢者の離床に焦点を当て、全身麻酔が術後の自律神経活動に与える影響と循環動態を明らかにし、より安全な早期離床の評価指標を見出すを目的とした。平成27 年度は、情報収集および測定準備のため本研究分野の現状、課題等をタイムリーに把握するため、文献検索、資料収集を行い、当該分野の学会、特に高齢者の周手術期を対象とする学会に参加することを予定した。ネット検索および文献検索を行うことにより、当該分野の研究の動向を知ることができた。また、研究の協力病棟との打ち合わせを行い、高齢者の術後離床時に見受けられる心房細動、不整脈、血圧低下など不利益な症状出現頻度、出現時間、場面など医療記録より収集し現状を把握している。また、高齢者のコントロールとして健康成人の生理学的な循環反応把握のため、仰臥位から、側臥位、さらに端座位時への体位変換を行い心電図、心拍変動解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27 年度は、測定準備、文献検索等は当初の予定通り、特に問題なく経過している。当初予定していた4 月の国際学会参加が日程調整がつかず見送り、5月開催の別の国際学会参加に切り替えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度研究成果の公表と修正平成27年度の研究成果について国内外の学会で発表を行う。学会等の議論をもとに、必要に応じて測定、評価に関する修正を行う。修正に基づき適宜、研究計画の見直しを行う。 対象患者の選定を行い、情報を収集する。情報と患者のデータ測定は、平成27年度の対象者の状況を参考に、症例数の追加、修正を行い研究の信頼性を上げる。最終的に対象患者は20 名を予定している。 評価:結果分析から、明らかに自律神経活動のバランスの悪い高齢者に対しては、主治医、研究協力者と連携し、離床の時期を配慮できる体制を整え、協力施設内で効果を確認したいと考えている。研究成果の公表は、国内外の学会で発表するとともに論文を作成の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該分野の研究に関する情報収集のため、国外の学会への参加を予定していたが、日程調整がつかず参加を諦めざるをえなかった。そのために必要としていた旅費、抄録の英文校閲に費用を捻出する必要がなく、さらに測定機器が一部のメインテナンスで済み次年度に繰越金が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度参加できなかった国際学会に5 月に昨年度の研究成果を公表の予定であり、さらに7 月に英国の学会に参加し、新たな課題を見出すための情報の収集を行う。そのために必要な英文校閲、さらに昨年度行わなかった測定機器のメインテナンスを行うことを予定しており、当初の予算を必要としている。また、これまでの研究成果を論文にすることを準備しており、そのための費用も必要である。
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