高齢者のどのような状態が離床のタイミングとして適切なのか明らかでなく、安全安楽な離床を行うための科学的根拠を持ち合わせていない。加齢により、交感神経活動の上昇、副交感神経活動の低下が認められ、高齢者のこれら自律神経活動や圧反射受容器の減弱が、高率に発症する体位変換時の血圧低下、不整脈、眩暈などの原因と考えられるが、実情はよくわかっていない。本研究は高齢者の安全で安楽な早期離床を目指し、その基礎的知見を見出すことを目的とした。仰臥位から左右側臥位への体位変換時の、循環動態、自律神経活動を評価した。性別に関わらず、左側臥時に心拍数が減少し、高齢男性は右側臥位で、交感神経活動の増加が減弱した。
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