研究課題/領域番号 |
15K15880
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五十嵐 歩 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20595011)
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研究分担者 |
鈴木 美穂 公益財団法人がん研究会, 有明病院 看護部, 副部長 (70645712)
孫 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40637039) [辞退]
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / コンビニエンスストア / 高齢者支援 / CBPR |
研究実績の概要 |
研究2年目である平成28年度は、東京都内の1地域においてCBPR(community-based participatory research)の4ステップ(STEP1 組織づくり、STEP2 課題の明確化、STEP3 介入前評価、STEP4 プログラム実施、STEP5介入後評価・プログラムの普及)のうち、「STEP3 介入前評価」「STEP4 プログラム実施」を実施した。
STEP3 介入前評価:介入前評価として、日本フランチャイズチェーン協会が実施した全国調査データを用いて、対象地域におけるコンビニの高齢者支援の実態を把握した。
STEP4 プログラムの開発・実施:「STEP2 課題の明確化」において明らかになった、高齢者支援におけるコンビニの葛藤や地域包括支援センターなどの行政・介護事業所等との連携の課題に対応するためのプログラムを開発した。このプログラムは、1)高齢者の特性(特に認知症)に関する基本的知識を提供すること、2)コンビニと地域の医療・介護の専門職等との間のネットワークを構築すること、3)コンビニによる高齢者対応において生じる葛藤に対処する能力を醸成することを目的としており、災害対応時の意思決定に関するカードゲーム教材「クロスロード」を改編して開発した「クロスロード:高齢者を支えるコンビニ編」を用いて実施される。 地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、介護サービス事業所の職員、コンビニ店舗のオーナーを対象にワークショップを6回実施し、延べ75名が参加した。そのうち2回は地域包括センターが主催する地域ケア会議、1回はコンビニチェーンが主催する認知症サポーター養成講座の一環として実施された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラムの開発と試行まで実施することができ、予定通り計画を実行できた。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の平成29年度は、「STEP5 介入後評価」を質的・量的側面から行うとともに、全国各地で活用可能な「地域包括ケアにおけるコンビニエンスストアとの協働モデル」を作成し、普及を図る計画である。介入後評価のために、インタビュー調査や質問紙調査を実施するほか、日本フランチャイズチェーン協会が実施する全国質問紙調査データの二次分析を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラム実施のための人件費を計上していたが、研究メンバーが主体となりプログラムを実施したため、費用がほとんどかからなかった。次年度、評価実施のために研究補助者を雇用する。
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次年度使用額の使用計画 |
プログラム評価のための調査を実施するための人件費、調査交通費、会議費。平成28 年度に実施されるプログラムのプロセス評価を論文発表するための英語論文校閲費や国内外の学会での発表費用。また、研究成果を公表するためのウェブサイト作成、報告書印刷・郵送のための費用。
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