研究課題/領域番号 |
15K15896
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研究機関 | 平成医療短期大学 |
研究代表者 |
小林 美奈子 平成医療短期大学, 看護学科, 教授 (40312855)
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研究分担者 |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
遠藤 寛子 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (80609363)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スピリチュアリティ / ソーシャル・キャピタル / 健康関連QOL / 重回帰分析 / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
生命倫理や医学統計学者等の外部委員数名と学内の内部委員で構成される所属研究機関の研究倫理審査委員会で承認され研究遂行となる。開発した心身健康増進スピリチュアルケアプログラムの実施前に、スピリチュアリティに影響を与える要因を検討するために、プログラム内容・評価で核となる項目を独立変数とし、ステップワイズ法による重回帰分析を地域在住高齢者へ実施した。結果として、ソーシャル・キャピタルの豊かさ、笑う頻度が多くあり、信仰を持ち、身体の痛みがないことは正の影響が認められ、喫煙習慣は負の影響が認められた。上記の調査結果を参考にプログラム内容を厳選し、G県内の複数の地域で無作為比較試験による介入研究で実施した。プログラム内容は運動器障害予防や笑いを用いた健康体操の他、自然・先祖の超越的な繋がりや、スピリチュアリティと健康に関する講話で構成。調査内容は両群ともプログラム前後で、健康関連QOL尺度はSF-8の下位尺度8項目およびPCS(身体的健康)とMCS(精神的健康)、ソーシャル・キャピタルは金子らの認知的5項目(SC)、主観的幸福感(4段階評定)、スピリチュアリティは20項目版SKY式精神性尺度等および竹田らの高齢者版スピリチュアリティ健康尺度を用いて質問紙調査を行った。Mann-Whitney U検定による介入群と対照群のプログラム前後の群間比較で有意差が認められたのは健康関連QOLの社会生活機能とMCSでSCの対人的つながり等が有意傾向であった。また、Wilcoxonの符号順位検定で介入群の前後比較では、幸福感、健康関連QOLの全体的健康、精神的健康、PCS、スピリチュアリティ等に有意差があり、顕著に得点が高かった。プログラムの回数を重ねることで、精神的健康感と幸福感の高まりや地域の高齢者同士のつながりや地域の愛着を深め、ソーシャル・キャピタルの醸成を促進する可能性が示唆された。
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