研究課題/領域番号 |
15K15898
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
永田 茂樹 昭和大学, 医学部, 教授 (00255770)
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研究分担者 |
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 胃瘻チューブ洗浄 / 茶カテキン / 汚染 / 内腔閉塞 |
研究実績の概要 |
栄養剤注入後に微温湯を注入する群を対照群とし、介入群と対照群が1:1になるよう封筒法を用いて割り付けを行った。検体採取方法は胃瘻留置チューブを垂直に立てコネクト部分から滅菌スワブを5㎝挿入しチューブ内壁をこすり、細菌培養にて菌種およびコロニー数を検出した。以上の研究デザインで同意の得られた患者は9名(女性4名、男性5名)で、胃瘻造設7病日に検体採取を行ったところ結果はKlebsiella pneumoniae (肺炎桿菌) が緑茶群と対照群各群2名、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌) が緑茶群2名、対照群1名、腸内細菌のEnterobacter属が緑茶群3名、対照群1名、また、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが対照群で1名検出された。さらに、研究対象以外の入院患者からも同様の多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが検出されるに至り、院内感染が確認され、研究を中断せざるを得なくなった。厚生労働省関東信越厚生局よりの指導があり、感染対策を講じるも、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが再度検出されたため、報告義務が解除され、感染対策の徹底や研究方法の見直しをし、同意を得て、患者登録を開始するまで12か月かかった。この結果は佐々木晶世,永田茂樹,叶谷由佳:胃瘻増設患者における胃瘻留置チューブ内腔の細菌汚染状況,第26回日本健康学会総会(東京, 2016. 11 )で発表し、英文論文はAkiyo Sasaki-Otomaru,Shigeki Nagata,Mana Doi-Kanno,Eiko Suzuki,Yukiko Kobayashi,Hitoshi Suenaga,Yuka Kanoya: Impact of green tea washing on the presence of Acinetobacter baumannii and Pseudomonas aeruginosa in percutaneous endoscopic gastrostomy tubes.としてACERに投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.Klebsiella pneumoniae (肺炎桿菌) が緑茶群と対照群各群2名、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌) が緑茶群2名、対照群1名、腸内細菌のEnterobacter属が緑茶群3名、対照群1名より、また、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが対照群で1名検出された。 2.研究対象以外の入院患者からも同様の多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが検出されるに至り、院内感染が確認された。 3.厚生労働省関東信越厚生局よりの指導があり、感染対策を講じるも、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが再度検出されたため、解除されるまで6か月を要した。 4.感染対策の徹底や研究方法の見直しをし、同意を得て、患者登録を開始するまで3か月かかった。 以上より研究を中断せざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが検出されないことはもとより、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosaでも院内感染が起こらないよう医療従事者の教育、指導を含め院内感染対策の徹底を継続してゆく。そのうえで、 1.研究デザインを栄養剤注入後に微温湯を注入する群を対照群とし、介入群では緑茶としてカテキン含有量540㎎/350ml(GTP濃度0.15%)である市販の高濃度カテキン含有緑茶を使用する無作為割り付け比較試験とし、介入群と対照群が1:1になるよう割り付ける。割り付けは封筒法を用いる。洗浄介入は8週間で4週、8週後の昼食時の栄養剤注入前に検体採取を行う。検体採取方法は先行研究を参考にチューブを垂直に立てコネクト部分から滅菌スワブを5㎝挿入し、チューブ内壁をこすり、細菌培養にて菌種およびコロニー数を検出する。4週間のウォッシュアウト後に同様の条件でのクロスオバー試験で研究代表者が研究を実施し、研究分担者は研究を担当するものが結果、分析に介在しないようにし、研究結果を保管、管理した上、分析をする研究に変更した。 2.65歳以上の胃瘻造設患者で緑茶を使用するため、鉄剤を服用中の者、不穏症状や不眠の訴えのある者は除外し、同意のとれた15名について2017年4月よりエントリーを開始した。
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次年度使用額が生じた理由 |
Klebsiella pneumoniae (肺炎桿菌) が緑茶群と対照群各群2名、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌) が緑茶群2名、対照群1名、腸内細菌のEnterobacter属が緑茶群3名、対照群1名より、また、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが対照群で1名検出された。また、研究対象以外の入院患者からも同様の多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが検出されるに至り、院内感染が確認された。さらに、厚生労働省関東信越厚生局よりの指導があり、感染対策を講じるも、多剤耐性菌で第5類感染症であるAcinetobacter baumanniiが再度検出されたため、解除されるまで6か月を要し、感染対策の徹底や研究方法の見直しをし、同意を得て、患者登録を開始するまで3か月かかった。以上より研究を中断せざるを得なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
院内感染が起こらないよう医療従事者の教育、指導を含め院内感染対策の徹底にも使用する計画である。また、研究デザインを栄養剤注入後に微温湯を注入する群を対照群とした無作為割り付け比較試験とし、介入群と対照群が1:1になるよう封筒法で割り付ける。洗浄介入は8週間で4週、8週後の昼食時の栄養剤注入前に検体採取を行う。検体採取方法は先行研究を参考にチューブを垂直に立てコネクト部分から滅菌スワブを5㎝挿入し、チューブ内壁をこすり、細菌培養にて菌種およびコロニー数を検出する。4週間のウォッシュアウト後に同様の条件でのクロスオバー試験に変更して使用する。現在は同意のとれた15名について2017年4月よりエントリーを開始しているが、さらに新規登録を随時実施し、可能な限り計画通りの症例数を達成させる計画に変更しているので、前年度の使用計画をそのまま今年度に繰り越し、使用する計画である。
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