研究課題/領域番号 |
15K15899
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80238443)
|
研究分担者 |
山本 由子 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (00550766)
糸井 和佳 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (30453658)
川上 千春 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70643229)
入江 由香子 高崎商科大学短期大学部, その他部局等, 准教授(移行) (00571382)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 看護学 / 世代間交流 / 高齢者 / 小学生 / 混合研究法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、都市部在住高齢者と小学生を対象として、世代間交流プログラムに本人のナラティヴを取り入れた市民主導型の看護支援方法を開発すること、および混合研究法を用いた世代間交流の量的側面(世代間交流行動、認知・身体機能、生活の質、社会的スキル)、質的側面(ナラティヴによる世代継承性・自己主張性・互恵性)を収集した総体評価法を開発することである。 対象は、都市部で継続的に開催している世代間交流プログラムの参加者群15名、小学生群7名、ボランティア群6名、支援者群6名である。 方法は、世代間交流の量的側面、質的側面の両者を収集・評価した。量的評価では、聖路加式世代間交流観察尺度(SIEROインベントリー)による世代間交流量、WHO-QOL26、GDS-15によるうつ、日常生活自立度、認知機能について3か月毎に測定した。質的評価では、毎回のプログラム中の高齢者、小学生等の間に生じた行動、言動、態度、表情などを参加観察・記述した。 また、混合研究法を用いた量データと質データの統合方法を確立するために、混合研究法を用いた研究論文を収集・評価し、各論文で性質の異なる2種のデータをどのように統合しているのか、具体的な方法を分析した。分析対象とした書誌はJournal of Mixed Methods Research誌とし、2007年1巻1号~2015年9巻2号に掲載された209論文とした。 分析には、オリジナルに作成した混合研究法分析ツールを用いた。209論文のうち、原著は63論文で、うち結果にジョイントディスプレイが提示されていたのは5論文であった。ハンドサーチによる文献収集から4論文を収集したが、ジョイントディスプレイは1論文のみであった。形式は「テーマ別統計量ジョイントディスプレイ」が4論文を占め、量的研究の結果を説明するために質データを扱っている傾向があることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は文献の分析を進めるとともに、世代間交流プログラムの参加観察を継続し、両データの収集を継続した。これらのデータ収集とプログラム別の収斂を計画通りに行うことができた。前年度に作成した混合研究法研究のグレード評価表の妥当性の確認のため、第三者評価を受けた。これを文献分析に用い、使用可能性があることを確認できた。また、研究成果のまとめをすすめ、論文作成を開始し、順調に進行することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度となるため、全ての量的データと質的データの収斂をすすめること、文献の分析を完了し、2種の性質の異なるデータの収斂はどのように行うのかを明確化する。また、混合研究法のグレード評価表を混合研究法による研究論文を作成するための支援ツールに活かすことを検討し、完成させる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度投稿論文の作成を開始したが、データ分析の途中であるため、英文校正の費用として確保していた経費を使用しなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は最終年度であるため、これまでの研究成果を論文としてまとめ、投稿をすすめる予定である。そのための英文校正、および投稿料として使用する計画である。
|