高齢者の看護ケアを行う上で、歩行障害や転倒へのアプローチは特に重要である。本研究では、従来からのハイリスクアプローチもしくはポピュレーションアプローチのどちらかに偏った転倒予防対策から脱却し、それらを融合した新たな転倒予防システム「安全歩行検診システム」の開発を目指した。研究の結果、安全歩行のステージは、高齢者の上・下肢筋力や立位バランス、認知機能を良く反映し、安全歩行検診カードに記載された安全歩行ステージの妥当性が確認された。さらに、介入研究の結果、対象者の歩行ステージは1年経過後も維持されており、昨年度の転倒率(23%)が今年度は18%に減少し、一定の効果が認められた。
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