研究課題/領域番号 |
15K15918
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70264827)
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研究分担者 |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (90364033)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (50508794)
安本 理抄 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (00733833)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 母子保健 / 保健師 / 子ども虐待予防 / 児童相談所 |
研究実績の概要 |
虐待予防を行っている保健師活動の実態に基づき、虐待保健の専門性向上に向けて教育プログラムを構築することを目的に平成28年度は次のことを行った。 1.虐待事例への支援を行っている保健師への実態の分析 昨年度実施した「保健師の子ども虐待事例への支援についての実態調査」に回答した513名を分析した。回答者の平均年齢は37.1歳、保健師経験は11.4年、約9割強が虐待事例への支援を行っており、リスクが高い事例を平均6.2担当していた。妊娠届出や妊娠中の支援はほとんどの項目が重点をおいていた。虐待事例への支援では、「家族計画の指導」、「同居している家族の健康状態の把握」、「地域の育児支援体制の整備」、「地域の虐待の現状の把握」などがあまりできていないと感じていた。虐待予防の取り組みにおいて必要なこととして、記録の整備、研修の充実、虐待予防に関する知識の必要性、支援技術の向上、事例検討の必要性、保健師へのサポート体制の充実、社会資源の充実、関係機関との連携のすすめ方などがあげられた。これらを研修に活かしていくことが必要である。 2.保健師の児童相談所における実践内容の把握 児童相談所での活動経験を有する保健師3名にインタビュー調査を行った。結果として保健分野培った保健師活動が基盤となり、児童相談においても保健師としての専門性を活かした活動を児童福祉司と連携を取りながら行い、児童相談所での経験を保健機関に活かすことを行っていることが示された。これらの実践内容を項目として研修に含めていくことができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
保健師への実態調査について分析を行った。今後保健師の属性別の分析がさらに必要と考える。
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今後の研究の推進方策 |
市町村保健師の虐待保健の支援の実態を分析した。また、児童福祉分野で活動している保健師へのインタビュー調査を実施したが3名にとどまっている。今後さらに児童福祉分野の保健師の活動実態を把握し、市町村保健師に必要な支援技術について考え、それらを盛り込んだ研修内容を作成していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
児童福祉機関保健師へのインタビュー調査が3名にとどまってしまったため、調査費用、分析費用が予定より少なくなってしまった。 児童福祉機関への保健師のインタビュー調査を継続して行っていく予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、海外で実施されている研修プログラムについて情報収集していく予定であるため、情報収集の費用として使用していく。 また、実態調査から得られた内容をもとに研修プログラムを作成し、保健師への研修を行っていくため、会場費、講師謝礼に使用する予定である。
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