研究課題/領域番号 |
15K15918
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70264827)
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研究分担者 |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (90364033)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (50508794)
安本 理抄 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (00733833)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 母子保健 / 虐待保健 / 信頼関係構築 / 保健師 / 研修 |
研究実績の概要 |
虐待防止に関する児童福祉分野職員に対する研修は拡充してきているが、子ども虐待予防の第一線で活動している市町村保健師の研修は緒についたばかりであり、保健師に必要な研修プログラムの構築がもとめられている。本研究では母子保健のなかでも虐待保健に必要な知識、技術、態度を明確にし、市区町村保健師が実践に活用できる研修プログラムの構築を目的とした。平成30年度は次のことを行った。 1.虐待予防の支援の基本となる親との信頼関係構築についての検討 保健師の虐待事例への支援の実態(量的調査)から、精神障がいや知的障がいのある親への支援、支援の拒否がある事例への困難さが浮き彫りになり、第34回子ども虐待防止学会において、熟練保健師の支援、信頼関係構築における支援、妊娠中からの支援の実際などついて応募シンポジウムを開催した。保健師の教育プログラムの基盤に親との信頼関係構築があることがシンポジウムのディスカッションを通して確認できた。 2.虐待予防の研修プログラムの実施 市区町村、保健所保健師を対象に3日間の虐待予防研修を実施した。目的は、妊娠中から支援が必要な妊婦及びその子どもの養育について虐待予防の視点をもったかかわりができる知識、判断力、スキルを身につけ、親の背景を理解する方略について学ぶとし、52名が参加した。研修内容の理解と保健師活動への役立ち度は3日間とも全員が理解でき、役立つと回答していた。昨年検討課題となっていた事例検討会を本年度は実施した。提供事例は複雑であったが、大切なのはその人の背景をどう理解するかということに気づいたという感想が多かった。全体の感想においても研修の目的で意図した内容と受講者の学びが一致していた。今後研修の感想を詳細に分析していくことが課題である。
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