研究課題/領域番号 |
15K15919
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
奥田 淳 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50382320)
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研究分担者 |
軸丸 清子 奈良県立医科大学, 人間健康福祉学部, 教授 (40314992)
飯田 順三 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50159555)
橋本 顕子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00381971)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療観察法 / 地域処遇対象者 / 訪問看護師 / 困難 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療観察法に基づく地域処遇の訪問看護に携わる看護師が抱える困難な課題を明らかにし、訪問看護師への支援方策を構築することを目的としている。研究の第1段階として、訪問看護師が医療観察法に基づく地域処遇対象者への訪問看護や訪問看護に関連する業務において経験した困難な体験の内容を明らかにするために、医療観察法地域処遇対象者への訪問看護の経験のある看護師にインタビューを行った。 初年度に研究対象者から行ったインタビューの数では、計画予定の人数に達していなかった。今年度は新たに研究対象者の候補となる看護師に研究協力を求めた。研究の協力に同意していただいた看護師は、研究計画における対象者の選定条件を満たした看護師であり、その看護師からインタビューを実施することができ、予定の研究対象者数をほぼ満たすことができた。 また、インタビューを実施した全ての研究対象者からは、医療観察法地域処遇対象者との関わりで体験した困難や対象者の社会復帰を目指すこと・再他害行為を起こさないための支援の難しさを感じたこと、対象者の家族との関わりで感じた困難、再他害行為や対象者への恐怖心、看護師以外の多職種と協働して支援をしていくことの難しさなどが、インタビューによりデータとして得ることができた。 インタビューにより得られたデータを逐語録にして、質的研究の手法を用いて分析を行っているところである。まず、インタビューによって得られたデータから逐語録を作成し、その逐語録から訪問看護師が困難に感じたことについて語られた内容を文脈として抽出した。そして、それをコード化し、コード化したものをカテゴリー化している段階であり、訪問看護師の体験する困難の外観をまとめているところであるが、大きく「対象者支援の困難」、「家族関係への支援の困難」、「多職種連携支援の困難」、「業務管理の困難」といった主な内容が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に予定研究対象者数を満たすことができなかったため、今年度も引き続き研究対象者からのデータ収集を行うことから始また。研究対象となる候補者の選定に時間が要したこと、研究協力を得られた訪問看護師と研究者との日程調整が進まず、インタビューの実施が予定通り進まなかったため、得られたデータの分析に取り掛かることが遅れたからである。
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今後の研究の推進方策 |
現状は、医療観察法地域処遇対象者への訪問看護を行う看護師が体験した困難について、看護師にインタビューを行い、データ分析を行っているところである。今年度は、データ分析を完成させ、看護師が体験した困難と訪問看護における課題の外観をまとめ、まとめた内容をもとに、看護師への支援方策を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
医療観察法に携わる訪問看護師への支援方策資料作成予定であったが、研究計画の遅れのため、支援方策資料作成を遂行することができなかった。そのため、資料作成に当たり、医療観察法地域処遇対象者に携わっている訪問看護師との意見交換のためにかかる旅費や謝礼、データ収集・保存にかかる費用として、次年度使用額として差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
医療観察法に携わる訪問看護師への支援方策資料作成のために、資料作成に当たり、医療観察法地域処遇対象者に携わっている訪問看護師との意見交換のためにかかる旅費や謝礼、データ収集・保存にかかる費用に使用する予定である。
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