本研究の目的は、ジェネラリスト能力を求められるへき地看護職の協働に対する自己効力感尺度の開発に向けて、へき地看護活動における協働の実態把握に基づき質問項目を収集・検討し、尺度原案作成のための予備調査計画を立案することである。平成29年度は、へき地看護職を対象としたインタビュー調査とデータ分析を中心に行った。 1.インタビュー調査の実施:自治体保健師2名、へき地医療拠点病院看護師(巡回診療拠点施設担当)、同認定看護師、同助産師、へき地診療所看護師、訪問看護ステーション看護師、小規模多機能型居宅介護事業所介護支援専門員(看護師)各1名の計8名より研究参加への同意を得てインタビューを行った。 2.へき地看護に関連する学会での情報収集:日本地域看護学会学術集会、日本ルーラルナーシング学会学術集会に参加し、調査対象者が活動するへき地と地理的自然的環境の異なる地域での活動に注目し情報収集を行った。 3.データ分析・まとめ:対象者8名が活動するへき地は、中山間地域5、離島2、他1であった。分析の結果、生活者個人としての地域情報の収集や数少ない専門機関・職種とのネットワークづくりに関する内容が特徴ある項目として収集できた。また、データ収集に並行して分析を進め、一部を学会発表し、参加者と意見交換を行った。今回の対象者の活動する離島がすべて内海に位置していたことから、本土の社会資源にアクセスしにくい外海離島のデータの補完について検討する必要がある。
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