研究課題/領域番号 |
15K15923
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
山下 留理子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90380047)
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研究分担者 |
谷山 牧 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (40413166)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症者 / 警察官 / 理解 / 対処能力 |
研究実績の概要 |
本研究は、認知症者やその家族が地域生活の場で困りごとが生じた際に最もかかわりが深い警察官を対象に、認知症者への理解と対処能力を向上するための教育プログラムを開発・評価し、今後の対策のあり方を検討することである。 平成27年度は認知症者の家族や施設職員が経験した警察官とのかかわりの実態を明らかにすることを目的に、インタビュー調査を実施した。平成28年度はそれらを質的記述的に分析したところ、行方不明となり発見されるまでのプロセス上の対応だけではなく、日頃から警察官の認知症者への理解を求めていることが明らかになった。 また、近年、各地の警察署において認知症に関する研修会が開催されるようになった。しかし、一般住民と一緒に受講したり、認知症サポーターをめざした研修内容にとどまっている可能性があると考えられた。また、インタビュー調査から、警察官のみならず地域住民も一緒になって認知症者への理解向上が必要であることが明らかになったため、全国都道府県の高齢者福祉計画を概観し、認知症サポーターやキャラバンメイトの数と活動・非活動の関連を検討した。人口あたりのメイト数が多いと都道府県で非活動メイトの割合が高く、必ずしも継続した効果的な活動につながっていない可能性も示唆された。したがって、警察官に対する認知症者への認識の向上は、現場で遭遇する場面に特化した状況や日常からの対応について、より専門的なプログラム内容を検討し理解の向上を図る必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
プログラム開発後のフィールドとして、いくつかの都道府県警察に協力を依頼したが、「すでに地域で実施している認知症サポーター教室を活用している」といった回答が多かった。したがって、警察官に特化したプログラム内容であることを理解し協力してもらえる機関を引き続き検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査の分析結果を整え、学会発表をしたり専門家から助言をもらい洗練させる。また、全国各地の警察署において認知症にかかわる何らかの対策を講じている機関も多くなっていることから、その実態を調査する。 インタビュー結果や実態調査からプログラム開発を実施・評価し、今後のあり方について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では2年目にアンケートの発送を予定していたが、進捗が遅れたため、郵送費、データ入力等アンケート調査にかかわる経費を未使用のため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度にアンケート調査および介入調査を実施することとし、次年度使用額はアンケート調査にかかる郵送費、データ入力作業費、紙代・封筒代などの消耗品の経費に充てる予定である。
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