研究課題/領域番号 |
15K15928
|
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
亀井 縁 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90624487)
|
研究分担者 |
山岡 由実 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (00326307)
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 海外駐在員 / メンタルヘルス / セルフケア能力開発 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、海外で働く日本人駐在員の職業性ストレスとそれによるメンタルヘルスおよびストレスに対するセルフケア能力を高める教育プログラムを開発することである。 初年度である平成27年は、まず最初に、国内外の文献検討により海外駐在員の職業性ストレスを明確にした。その後、中国上海にて日本人の診療に携わっている医師3名と日本企業が所属する商工会の担当者1名にインタビューを実施し、現地での海外駐在員のストレスについて情報収集を実施した。情報収集により上海に在住している駐在員のメンタルヘルスにおける課題として以下のキーワードが見出された。属性では【壮年期】【男性】【単身赴任】【初回赴任】、ストレスの内容としては、【文化の相違】【日本との業務の相違】【言語の問題】であった。この調査により海外駐在員がメンタルヘルスの課題を抱えていることが明らかとなった。さらに駐在員が抱えるストレスの状況や現地での対応などの実態を調査するため講演会を企画、実施した。講演会終了後にアンケート調査に同意を得られた15名にアンケートを実施した。アンケート結果は対象者が少なく海外駐在員のストレスを正確に把握することが難しい状況ではあるが、海外駐在が決まった時に不安があったと半数が回答し、その後も文化や業務内容の相違によるストレスを抱えていることが明らかとなった。 今後は、計画通り上海で働く日本人のメンタルヘルスのセルフケア能力を高める教育プログラムを開発する予定であるが、プロクラム作成にはさらなる実態の把握が必要であり、今年度は上海にて日本人の診察に携わっている医師と連携をしながら上海で働く駐在員の特徴やストレスの内容を明確にする予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の計画では、研究目的に沿った文献検討と上海での日本人駐在員からの聞き取り調査により、メンタルヘルスに関する実態を把握することを目標にしていたが、連携協力者である産業医、現地日本人医師の助言と協力を得ることができ、初年度の計画にはなかった「海外生活とストレス」のタイトルで講演会を実施した。講演会終了後にはメンタルヘルスの状況についてアンケート調査を実施した。 このことは、専門家が連携協力者に加わったことにより、多様な意見や方法を見出すことができ、研究目的に沿って研究方法論を修正・追加することになったが研究は順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度の講演会実施時には広報活動と現地で研究の実施時期に関する課題があった。上海に駐在する日本人を対象にする研究の場合、国外の研究者が広報活動をする手段が限られており対象者が集まらないことがあった。そのため、今後は現地の連携協力者と協議をしながら広報活動やリクルート方法を検討し対策を講じる。また、研究の実施時期については、長期休暇となる国民行事や駐在員の移動・転勤の時期を避けた時期での計画を年度初めに立案することで対応する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の研究計画が当初予定していた計画より早く進んだことにより、平成28年2月に実施した講演会諸経費について平成27年度予算残高を超えた為、次年度に繰越して平成28年度予算額との合算使用で旅費を支出することとした。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度予算額が配分され次第、経費申請を実施する予定である。
|