ガンマダイバージェンスに基づくロバストな相対誤差推定に関する研究を進めた.具体的には,提案手法を電力消費量データに適用し,提案手法の有効性を検証した.電力消費量が極端に小さな値を取るとき,従来の相対誤差推定だとその値に引っ張られて不安定になるが,提案法を使うと,その影響が取り除かれることを確認した.また,交差検証法を適用することにより,適切なガンマの値を推定できることがわかった.この内容は,国際誌Entropy(オープンジャーナル)に掲載された.さらに,国内外の学会・シンポジウムでこの内容を講演した. 昨年度考案した,スパース因子分析モデルにおける新たな正則化項であるPrenet正則化法の有効性を検証するため,fMRIデータと大規模アンケートデータへ適用した.その結果,fMRIデータに対して,従来法であるウォード法よりも良い結果が得られることを数値的に示した.また,大規模アンケートデータに対しては,従来のQuartimin回転よりも単純完全構造に近く,解釈しやすい因子負荷行列が推定でき,さらにあてはまりも比較的良いことを確認できた.この結果を論文に追加し,arXivに再投稿した.現在,国際誌に投稿中である.また,この研究内容を国内外の学会やシンポジウムで講演を行った. 群の数が多い場合の判別分析に関しては,昨年度考案した重み付きクラス間変動行列を用いた手法よりも,クラスタリングと組み合わせた手法のほうが精度が上がることを確認した.この内容を,来年度の国際会議(EcoSta2019)で講演する予定である.
|