研究実績の概要 |
当該年度は、主な適用データと考えている臨床試験データのデータ解析を進めた。本試験では過去の臨床試験データを新規試験の既存治療群のヒストリカルデータとして用いることで、全体の対象者数を変えずに新治療群への割付比率を上げることが行われている。新規試験内では2:1割付が行われており、既存治療群に対し、新治療群の1/2に当たる情報量をヒストリカルデータから代用する方法について検討し、適切な解析計画書を作成した上で実装を行った。学術論文は現在投稿中である。その次の段階として、ヒストリカルデータから用いる情報量を新規試験データとの類似度に応じて連続的に決定する方法を検討している。 当該年度中に当該研究に関連した統計理論の査読付き原著論文を論文を筆頭著者で1報、査読付きレターを筆頭著者で1報、臨床試験でのヒストリカルデータの利用に関する総説を共著で1報発表した(Causal mediation analysis with multiple causally non-ordered mediators. Statistical Methods in Medical Research 2016,in press; Comments on ‘A cautionary note concerning the use of stabilized weights in marginal structural models’ by D. Talbot, J. Atherton, A. M. Rossi, S. L. Bacon, and G. Lefebvre. Statistics in Medicine 2015;34(8):1438-1439; 計量生物学 2015;36(1):25-50)。これらはいずれも本研究で目標としている治療効果の推定方法に関する研究であり、有意義であると考えている。
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