| 研究課題/領域番号 |
15K15957
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
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研究代表者 |
朝倉 こう子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 特任研究員 (70738690)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 臨床試験 / 多重エンドポイント / 中間解析 / モニタリング / 予測 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，新規治療法を評価する臨床試験において得られている情報の不確実性に適切に対処し，治療効果の評価と意思決定を合理的に行うための，リスクの定量化・可視化に関する方法論を開発することを目的とする．本年度は複数の目的をもつ臨床試験について，より現実の臨床試験に即した形での方法論の整備にとり組んだ．具体的には，被験者の追跡が長期にわたるために試験途中での意思決定がとくに必要となる，事象発生までの時間を主要評価項目とする試験に特徴的な状況を重点的に検討し，たとえば複数の評価項目や目的について個々の追跡期間が異なるのみならず，評価項目や目的毎に追跡期間の初期と後期で意思決定の方針が異なるといった，より現実的で幅広い場面に群逐次デザインを適用する際の意思決定の方式，過誤確率の制御，検出力，早期中止確率および試験終了までに必要な事象数や被験者数の評価における問題にとり組むとともに，早期中止確率や試験全体の検出力および必要事象数や標本サイズの計算のためのプログラムを整備した．
また予測(prediction)を用いた治療効果の評価に基づくリスクの定量化と可視化に関し，(a)未観測時点の治療効果に関する予測信頼区間(predicted interval)のcoverage probabilityの評価，(b)試験の早期中止やデザインの変更を可能とする他の頻度流およびベイズ流アプローチとの特徴，性能の比較を行い，当初の目標であった，試験の中止や継続により予測されるリスクの評価の観点から，提案する方法の実地への適用可能性を検討した．これらの研究成果について国際学会での発表を複数回行ったほか，本研究に関連する分野の第一人者である海外の研究者より本研究に関する専門的知識，客観的評価や助言を得た．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の一部について，当初は予定していなかった深遠な検討を追加することとなったため学術論文の公表が当初の予定よりやや遅れているが，研究計画の変更により新たな成果と研究の方向性が得られたため，研究全体としてはおおむね順調であると考えている．
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| 今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更に伴い得られた追加の成果について国際学会で発表し客観的評価を受ける．またそれらの結果を含め研究論文として纏め，公表する．
予測を用いた治療効果の評価について，評価項目の選択等，異なる種類の意思決定を検討する場面への適用可能性を検討する．
研究期間内に得られた成果と研究経過での問題点を整理し，最終的な研究計画の達成状況を評価し，今後の研究の道筋をつける．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していなかった追加研究により得られた成果の発表のため，次年度に海外旅費が必要となった．そのため当初，学会発表や論文執筆等，成果発表のためのコンピュータ購入を予定し計上していた予算を次年度へ繰り越し，成果発表のための旅費や論文公表にかかる費用として使用する予定である．
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