近年CPUの単体での性能が頭打ちになりつつこと、また多くの計算機が自然にネットワークを介して協調動作できるようになったことにより、並列計算の重要性は非常に高まっている。しかし、どのようなプログラムであれば、コンパイラによって自動的に効率の良い並列プログラム変換できるのかについてをよく説明できる理論は確立していない。本研究では、データの総和や平均などを求める「リダクション」と呼ばれる並列計算パターンに着目し、これをプログラミング言語理論として自然に、しかも実際のプログラム並列化に素直に繋がる形で、扱うことのできる理論的基盤を与えた。
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