研究課題
本研究は,リリースを伴いながら開発が進行していく現実のソフトウェアに対して,変更に先立って,それらを行いやすいようなリファクタリング候補を導出すること,該当リファクタリングをどのように安全に行えばよいかのガイドを開発者に促すことにより,開発のコンテキストを考慮したリファクタリングの実行を支援することを目指している.平成30年度では以下の成果を得た.(1)これまでに開発してきた,イシュー管理システム上のイシュー中の情報をコンテキストとして用いた不吉な臭いの優先順位付け手法について,再利用可能なモジュールとして利活用するためのプログラムの洗練,公開準備を行った.(2)平成29年度に特定した,開発者が不吉な臭いの選択や優先順位付けに用いる因子について,他の臭い優先順位付け手法やフィルタリング手法で用いているものとの比較を行った.(3)不吉な臭いを活用したバグ修正箇所特定法を考案するとともに,バグ修正による変更に対して臭いをプレファクタリングの可能性として提示する方法との結合を検討した.(4)履歴リファクタリングやアーキテクチャ適合リファクタリング,要求リファクタリング等の各種リファクタリング手法について,それらを推薦するためのコンテキストの特徴を検討した.研究期間を通じて,主としてイシュー管理システム上のイシュー中の情報をコンテキストとして用いた不吉な臭いの優先順位付け手法の確立に成功した.この手法は,具体的な変更計画に則ったプレファクタリング方針を定めるための重要な基礎技術として位置づけられる.
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件)
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