研究実績の概要 |
本年度は既存のソフトウェアが利用しているライブラリの更新に伴なうソフトウェアの修正方法を蓄積するための手法を検討し,それを実現するための環境を構築した.本環境では、(1) OSS ライブラリを対象にリリースバージョンの更新履歴としてバージョン番号と個々のバージョンにおける公開APIの情報を蓄積、(2) OSS ソフトウェアを対象にそれぞれのソフトウェアの変更履歴から外部ライブラリの更新履歴としてソフトウェアのバージョンとライブラリ名およびそのバージョンを蓄積、(3) 開発中のソフトウェアで利用している外部ライブラリとそのバージョンから(1), (2) の情報を利用し、自動更新可能なライブラリとそのバージョンの検出および手動更新するために必要な情報の提示を可能にした。 我々の調査によって外部ライブラリの自動更新可能なソフトウェアが多数存在することがわかった.一方で,既存のソフトウェアでは外部ライブラリの更新頻度が低く,外部ライブラリの更新に伴なうソフトウェアの修正支援を十分に行うことができないことが明らかとなった. 外部ライブラリの不具合によるソフトウェアの不具合を防ぐためには,外部ライブラリを更新することは重要である.我々が構築した外部ライブラリの更新に伴なう修正支援環境を利用することによって,外部ライブラリの更新を促進することが可能となる.
|