研究課題/領域番号 |
15K15984
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
今井 信太郎 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (50510260)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | センサシステム / センサネットワーク / マルチエージェントシステム |
研究実績の概要 |
本申請研究では,サービスやデータ,デバイスなどの環境に適応した動作を可能とする,マルチエージェント技術に基づくセンサシステム基盤技術の研究開発を目的としている.平成29年度は,27年度に作成したセンサノードとエージェントシステムのブリッジング機能および28年度に開発したノード間協調機能を実装したプロトタイプシステムの構築と実験を行い,本申請研究の総合評価を行った. 実験環境として,一般的な単身者用の住居に複数種のセンサノードを設置し,携帯型端末,PCやネットワークを用いて機械学習により,様々なサービスに応用可能である利用者の生活行動を推定するプロトタイプシステムを構築した. このシステムを用いた実験において,エージェント間の連携により,既存のセンサノード群を用いた手法を同程度の推定精度を維持しつつ,環境に応じてデータの取得頻度や送信の頻度,行動推定の頻度を変更することによる省電力化が可能であるという結果が得られた.また,特定のノードに突発的に大きな負荷が発生した場合には,データ処理場所を変更することによってノードの負荷や消費電力を低減させ,変化に対応することができていた. 昨年度までの結果や,今年度の評価実験の結果から,本基盤技術のセンサノードとエージェントシステムのブリッジング機能および複数センサノードの連携機能により,センサノードやネットワークにかかる負荷の軽減やその変化への耐性の向上,観測対象の状況に基づくシステムの動作の調整など,環境に適応した動作が可能となることが示された. 今後の課題として,本提案手法では,セキュリティ面は全く考慮されていない点が挙げられる.しかし,サービスやデータの内容に基づくセンサノードの選択やデータ処理場所の決定など,本提案手法の応用は可能であると考えられる. 以上の研究成果の一部を研究会において発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗は,ほぼ当初の予定どおりであり,提案手法の設計・開発,実験環境の構築も実施済みであるが,総合評価およびその結果の発表が残っている.
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今後の研究の推進方策 |
本申請研究の最終年度である平成30年度は,総合評価および研究成果の発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 成果発表の回数が予定していたよりも少ないこと,および英語論文の掲載において予算に計上していた掲載料を必要としない論文誌への掲載となったため. (使用計画) 成果発表のための参加費および旅費に使用する.
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