研究課題/領域番号 |
15K15986
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
勝間 亮 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80611409)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | センサネットワーク / 被覆 / カメラノード / 位置推定 |
研究実績の概要 |
平成27年度は研究の方向性を検討し,可視光を用いた障害物の位置推定の方法を考案した.その方法をもとに室内での簡易な実験を行い,情報処理学会DPSワークショップ2015でポスター発表を行った. 従来,障害物の位置推定はレーザレンジスキャナ等を用いれば可能であったが,本研究ではこれらの高価な機器を使わずに,もともとセンサノードに装着されているカメラとLEDライトを利用するだけで安価に位置推定を行うことができる点が新しい.しかし推定精度が落ちることが予想されるため,実験を行うことで推定精度を測る必要がある.そこで,平成27年度では,正式な実験の前段階として簡易な予備実験をいくつか行ってきた.カメラ付きセンサノードを用いることが前提であったため,まずは可視光をカメラで認識できるかどうかの簡易な実験を行った.その結果,市販のLEDライトを使用して,点滅パターンをあらかじめ決定しておけば数メートル離れていてもはっきりと認知可能であることが分かった.光を捉えた映像から点滅パターンを抽出し,自動的にライトが認識できたかどうかを判別させることも可能であることが確認できた.また,約40平方メートルの室内に8個のセンサを設置し,障害物の検出を行った.設置するセンサの個数が増えれば増えるほど推定精度は上昇することが確認できた.センサの個数(設置コスト)と推定精度はトレードオフの関係にあるため,適切な値になるよう調整することを今後の課題として検討していく必要があると認識できた. DPSワークショップ2015では,位置推定の方法とこれらの簡易実験をまとめた成果を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終的な目標はカメラノードによるフィールド上の被覆範囲の推定と,追加すべきノードの位置の決定である.当初の研究計画では,人間が歩いてカメラの被覆範囲を調べる予定であったが,障害物の位置を自動的に推定する手法を考案することで被覆範囲の推定も自動化できることに着目し,今年度は障害物の位置推定の手法の考案を行った. 現段階では障害物の位置推定手法の考案,LEDライトの認識距離測定実験,室内オブジェクトの位置推定の簡易実験を行うことができている.
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今後の研究の推進方策 |
障害物の位置推定のためには,カメラノードの位置が判明している必要がある.しかし,実際の使用場面を考えたとき,自然環境であらかじめ決められた位置にカメラノードを正確に設置するのは難しく,労力がかかる.そのため,ある程度の目測で設置し,自動的にセンサノードの位置を測定するメカニズムが必要であることが分かってきた.従来の位置推定手法では各無線機器の発する電波の強度(RSSI)を用いるものがあったが,カメラが捉えた可視光を利用すると従来よりさらに良い精度でノードの位置推定を行うことができると予想される.そのため,今後はノードの位置推定手法について最優先で取り組んでいく.
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