研究課題/領域番号 |
15K15987
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀和 名城大学, 理工学部, 准教授 (50583803)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 家電制御 / AR / 無線センサネットワーク / 可視化 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究実施計画に従って,(1)ARによる可視化システムの実装,(2)Wi-SUN準拠の無線センサネットワークの構築,(3)センシング情報を蓄積する管理サーバの開発を実施した. (1)について,平成27年度にプロトタイプ実装した直感的家電制御フレームワークiHAC(intuitive Home Appliance Control)に対して,SONYが研究開発を進めてきた物体認識技術と,SONY独自の3D空間認識技術を統合した高機能・高精度なARエンジンSmartARを用いてマーカレスARによる家電制御インタフェースの検討およびプロトタイプ実装を行った.被験者による評価実験を行った結果,従来のHTMLを利用したテキストベースの操作モードと比較して,ARを利用した操作モードの方が操作時間を45.5%削減できることがわかった.また被験者の8割がARを利用した方が直感的に機器を制御できると回答し,ARを利用した可視化は有効であることを確認できた. (2)および(3)については,ワンボードマイコンmbedにWi-SUNモジュールを組み合わせた無線センサノードを試作し,大学キャンパス内に無線センサネットワークを構築した.無線センサノードはMQTT-SNを利用してデータを送信し,無線センサネットワークとインターネットを接続するゲートウェイはMQTTにプロトコル変換して管理サーバへ転送するように設計および実装した.管理サーバは受信したデータを随時データベースに格納し,蓄積できるプロトタイプシステムを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マーカレスARにより情報家電機器を直感的に制御できるシステムを実現し,計画通りに動作検証および評価実験を実施している.平成27年度から継続しているiHACフレームワークを含めたこれらの研究成果を,IEEE Consumer Electronics Societyが主催する家電分野におけるフラグシップカンファレンスである国際会議35th IEEE International Conference on Consumer Electronics(ICCE 2017)で発表した.現在,無線センサネットワークにおけるセンサノード間のリンク可視化の実現に向けて,研究を開始している. なお,屋外に無線センサネットワークを構築する計画について,設置を検討していた日進市との協議を行った結果,コミュニティバス沿線には設置せず,実験や無線センサノードの設置および取り外しがしやすい大学構内で行うことに変更した.なお,本研究では屋外無線センサネットワークの可視化が目的であるため,学内に無線センサネットワークを構築しても,研究の実施する上で大きな影響はない.
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今後の研究の推進方策 |
現在検討中の無線リンクの可視化機能を実装し,屋外無線センサネットワークを対象にその存在の可視化,および管理サーバに蓄積されたセンシング情報の可視化が可能か検証を行う.また,視認性や利便性の観点から,従来の可視化システムとの比較評価を実施する. さらに,これまでと同様に研究成果の発表を積極的に実施する.
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