研究課題/領域番号 |
15K16022
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
森川 大輔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70709146)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 両耳間時間差 / 聴覚メカニズム / カクテルパーティ効果 |
研究実績の概要 |
周波数ごとの両耳間時間差がカクテルパーティ効果による音の認識にどのように影響を与えるかを明らかにするために、各周波数の時間情報だけを操作して音を呈示する手法を確立し、この手法で呈示された音が心理的に実環境と同じであることを確認した。具体的な実績は以下の通りである。 まず、各周波数の時間情報だけを操作して音を呈示させる手法を、HRTFを周波数ごとに組み合わせるという概念を用いて実現するとともに、単純な球のモデルによる両耳間時間差を用いて両耳間時間差情報のみを操作して音を呈示する手法についても検討した。その結果、両手法が十分に実験に利用可能であることを確認できた。また、球のモデルによる両耳間時間差情報のみを操作して音を呈示した場合に頭部運動を行うと、音像の分離知覚が生じること、その分離傾向は両耳間音圧差情報のみを操作して音を呈示し、頭部運動を行った場合と異なることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.各周波数の時間情報だけを操作して音を呈示する手法の確立、2.手法によって呈示された刺激音の確認、の達成を27年度の目標としていた。 そして、手法を確立し、手法によって呈示された刺激音が有用であることを確認した。 2つの達成目標について当初の計画通り目標をほぼ達成できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
確立した手法を用いて、各周波数の両耳間時間差を操作して聴取実験を行い、その変化が音を一つの塊として認識するメカニズムに与える影響を系統的に明らかにする。そして、得られた知見を元に、各周波数間の両耳間時間差の差異が音を一つの音の塊として認識するメカニズムに与える影響をモデル化する。
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