研究課題
同一の空間内において異なる音空間を複数構築,それ以外を静穏化するという課題に対して,パラメトリックアレースピーカを用いてキャリア波と側帯波に対して独立して指向性を制御・放射することで,様々な物体からの反射波による外乱を抑圧して複数の音空間を構築した.本研究では,ソフトウェアによる技術研究だけでなく,ハードウェアによる技術研究も実施することで次世代立体音響再生方式の総合開発を展開した.具体的には以下の項目に対して研究を実施した.(1)【技術研究(ハードウェア)】大音圧の指向性を自由にソフトウェア制御可能な大型パラメトリックアレースピーカの開発(2)【技術研究(ソフトウェア)】キャリア波と側帯波の独立位相制御による反射音抑圧型パラメトリックスピーカシステムの開発(3)【総合研究】上記(1)-(2)を統合した音空間分離システムの総合開発最終年度は,特に(3)【総合研究】を重点的に行い,これまでの研究成果を統合した音空間分離システムの総合開発を行った.その結果,キャリア波と側帯波の独立位相制御に基づく音空間分離システムは完成し,その性能を評価した.その研究成果は,去年度に学術論文(パラメトリックアレースピーカを用いたキャリア波と複数側帯波の独立遅延制御による近距離音響再生)として採録された.さらに,今年度はこの音空間分離技術を発展させた研究として,三次元空間に仮想的な音源を作成する音響ホログラムの技術を開発し,その性能を評価した.その研究成果は,今年度,学術論文(マルチパラメトリックアレースピーカを用いた音像ホログラムの構築)として採録された.また,他にもこれまでの研究成果を応用した様々な研究も推進した.その結果,最終年度の研究成果として,学術論文4件,国際会議9件に加えて多数の研究成果を国内学会にて発表した.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 9件)
電子情報通信学会論文誌D
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