研究課題/領域番号 |
15K16031
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
健山 智子 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (90550153)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高精度な臓器情報の抽出 / 血管情報可視化 / 人体臓器の対話可視化操作 / 非接触デバイス / タッチレスシステムのための手指形状解析 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
初年度の研究では,以下を中心に研究を進めた. 1.医用画像解析に基づく患者に特化した人体内部情報の可視化では,主に臓器構造の抽出・および効率的な三次元体内情報の可視化を中心に行った.Randam Walk手法と統計的解剖モデルの融合により,抽出したい臓器情報をより高精度に抽出することができた.これにより,今後の血管構造解析手法の精度が高めることが可能になった. 2.非接触デバイスを用いた人体臓器モデルの解剖構造可視化操作では,当初はボリュームレンダリングをベースに可視化操作を行っていた.しかし,多くの臨床従事者との打ち合わせを重ね,臨床経験に基づいた可視化の対話操作の導入を行っている.現在の機能として臓器の回転,臓器内部の血管構造可視化が順調に進んでいる.また,現在,インタラクション機能では,インタラクションを行うための手の形状について,機械学習を導入中である.28年度の研究では,このインタラクション機能に対する機械学習をより重要視した研究を進める. 3.人体臓器の3次元対話可視化操作システムの開発では,より臨場感が高い操作を目指し,高度なステレオ可視化操作システムの設備設定を行った.このシステムでは,3Dステレオ技術とKinectV2のシステムを融合して,臨場感の高い環境で人体内部の対話可視化操作を可能にしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究では,1.血管構造解析の基盤研究の確立,2.ハンズフリーデバイスを用いた可視化操作のためのインタラクション機能の基盤確立と,本プロジェクトの基盤研究の確立を目的としていた. 1. 血管構造解析においては,研究進捗に伴い,多くの問題点も確認されたため,その解決を進める新たな研究課題として取り組む必要がある. 2. インタラクション機能に於いては,これまで簡易な形状のみで対話機能をデザインしていたが,機械学習を導入することで手指形状のパターンを増加することができた.より精度を向上させるため,そのモデルとなるデータベースの増加を行う課題として取り組む昼用があるなど,研究進捗が確認できた. また,本プロジェクトの初年度研究は,論文2本,国際学会3件,国内学会(査読あり)2本,国内学会9件の発表を達成した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度では,以下の内容について研究を行う. 1. タッチレス可視化操作のデザインにおいて機械学習を導入し,臨床現場でよりスムーズな可視化操作の実現を目指す.そのためには,多くのユーザレベルのインタラクションモデルが必要である.インタラクションモデルについて,現在,1名のモデルだが,28年度は10名のモデルから解析を行うことを予定している. 2. 血管構造解析について,十分な精度を高める必要がある.そのためには血管情報について,十分な統計情報を取得する必要がある.今後,より多くの医療機関とも連携しながら,臓器情報ならびに血管構造解析に必要な医用画像(CT画像)を取得し,解析を行う. 3. システム開発では,現場の臨床医とも相談しながら,手術空間における実用的な対話可視化操作について,より実用的なシステムへの導入に着手する.
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備考 |
現在研究代表者の所属機関は,初年度の所属機関と異なっている. Webサイトは,現在の所属機関へ移行手続きを申請中であり,また詳細なWebサイトのURLが確認次第に,再度連絡する予定である.
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