筋肉の動きをイオン液体ゲルと導電性ポリマーをコーティングした布状電極を用いたウェアラブル電極により計測を行った。本研究では、ニット上の柔らかい布の上に有機導電性電極と長時間計測が可能なイオン液体性ゲルをパターニングする技術を開発した。布の印刷方法として、シリコーンゴムを用いてネガパターンを形成後に、導電性ポリマー、イオン液体ゲル等を形成する方法を開発した。このパターニング方法は、リソグラフィー等のマイクロマシニングで用いられる溶剤を用いないため、導電性ポリマーやイオン液体性ゲルの特性を低下させるなどの問題がなく、500ミクロン幅の電極のパターニングが可能であった。この電極を用いて、筋電の測定と刺激を行った。試作した電極の特徴として、医療用のものに比べインピーダンスが低く、1カ月以上乾燥しないため長時間の使用が可能であることが分かった。筋電の計測時には、布電極が複雑な形状を持つ人の体にフィットし、人の動きに追従するためノイズの影響が少ないことが分かった。さらに、通常用いられている医療用電極と同様の波形を得られることを確認した。さらに、筋肉の神経からのM,V、H波形を計測することに成功した。
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