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2016 年度 実施状況報告書

遠赤外線画像を用いた複数ユーザの非接触型同時呼吸計測法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K16042
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

塙 大  名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (50422506)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード呼吸計測 / 非接触計測 / 遠赤外線画像
研究実績の概要

遠赤外線画像を用いた複数ユーザの非接触型呼吸計測の実現に向けて,本年度は,申請者らが前年度に考案した手法が複数ユーザの同時計測に適用できるかどうかの検討を行った.
具体的にはまず,考案した手法を検証するための評価用データの計測を行った.評価用のデータとして,鼻呼吸中の被験者2名の顔面を含む遠赤外線画像を,カメラ位置および呼吸の仕方を変えて,計24パターン計測した.
次に,考案した手法が上記の評価用データに対してどの程度の頑健性を有するかを実験的に調査した.その結果,遠赤外線画像上で個々のユーザの鼻腔がすべて正確に検出できれば,遠赤外線画像の連続フレームより計測した鼻腔の温度変化を用いることで,鼻呼吸における流速の状態を一定の精度で推定できることが確認できた.その一方で,鼻腔の検出に関しては,考案した手法では良好な精度を得られないことが判明した.これは,遠赤外線画像の連続フレームより,顕著な温度変化が見られる領域を抽出し,鼻腔を含む領域を特定する過程で,考案した手法で用いた特徴量(候補領域の面積,形状,平均温度)が,鼻腔の温度変化や形状などの個人差により,複数ユーザの鼻腔の検出には十分に機能しなかったためと考えられる.
以上より,呼吸における流速の状態の推定については,複数ユーザの呼吸計測に対しても概ね良好な結果が得られた.しかしながら,呼吸部位の検出に関しては,遠赤外線画像のみでは困難であることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度までに考案した手法のうち,流速の状態の推定に関しては,複数ユーザという条件下でも一定の精度が見込める結果となった.一方,鼻部および口部の検出に関しては,現時点では十分な精度が得られないことが判明した.以上より,本課題の進捗状況は総合的に判断して,やや遅れていると考えられる.

今後の研究の推進方策

特に呼吸部位の検出に関しては,精度の向上が急務である.そこで,遠赤外線画像以外に,近赤外線画像など他の種類の画像を組み合わせて用いる手法を検討する必要がある.

次年度使用額が生じた理由

評価データの作成,および実験に必要な計測機器の一部を,連携研究者および所属機関の協力により,本課題の直接経費を使用せずに準備することができた.また,評価データの作成に関する作業の一部を,無償で協力してもらうことができた.以上の理由により,当初の予定より経費が掛からない形で研究が遂行できたため,次年度使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

呼吸部位の検出法を再度検討する必要が生じたため,これらの手法の検討および評価に必要な機器の購入,ならびにシステム実装などに必要な謝金に使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Basic Study on Non-contact Measurement of Human Oral Breathing by using Far Infra-Red Imaging2016

    • 著者名/発表者名
      D. Hanawa, T. Ohguchi, K. Oguchi
    • 雑誌名

      Proc. of TSP 2016

      巻: - ページ: 681-684

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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