本研究は、ディスプレイ上の3次元空間にて近接(非接触)における指の位置検出、接触における接触位置及び押圧が検出可能な3Dタッチパネルの開発を目指すものである。それにより3D画像に合わせた操作、指を近づけることによる2D画像のズームや押圧の変化による操作が可能となり、タッチパネルの操作性が向上すると考える。 本年度は、前年度の成果をもとに、試作した透明なITO電極を用いた提案タッチパネルをLCDモニタに取り付けた。更にLCDモニタの画像に影響を与えない位置で接触状態を検出するためLCDモニタの四隅に試作した平行平板型静電容量圧力センサを取り付けた。上記タッチパネルと静電容量圧力センサを制御するためのプログラム作成及び測定のための回路の作製を行い、近接から接触における指の測定を連続的に行った。更に近接における指の検出位置における誤差を低減するため、算出したZ座標によりX-Y座標を補正する方法を考案した。指のモデルとして用いた接地した導体を対象として、ロボットアームに取り付け対象とセンサの位置を正確に設定し、近接における対象のX-Y-Z座標及び接触における圧力とその位置の算出を行った。その結果、LCDモニタ上の近接における対象の位置の検出及び接触時の圧力及びその中心位置の検出が可能であることを実験で示しえた。更に、試作したセンサを用いた3D操作法について提案した。指を近づけることによる画像のズームや押圧の変化による操作のためのプログラムを作成し、実験によりその可能性を示した。これらのことより、提案センサの有用性を示しえた。
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